第13回WTO閣僚会議、次回へ交渉継続

(世界、アラブ首長国連邦、東ティモール、コモロ)

ドバイ発

2024年03月05日

アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されていた第13回WTO閣僚会議(MC13)が3月2日に閣僚宣言を採択して閉幕した。2月26日からの今回会合は当初3月1日に閉幕予定だったが、最終合意に至るまでに時間を要し、会期を1日延長した。

WTOの紛争解決制度は、米国による上級委員会の新委員選任拒否などにより、委員数が審理に必要な最低限の3人を下回ったことで、2019年12月以降、機能停止に陥っている。今回の会合では、「2024年までに全ての加盟国が利用できる完全かつ十分に機能する紛争解決システムを実現することを目的とした進捗状況を認識する」とした閣僚決定を採択した。電子商取引に関しては、作業計画について定期的に検討することを一般理事会に指示する閣僚決定を採択。2026年3月31日、もしくは次回の第14回閣僚会議(MC14)開催日のいずれか早い日を期日として、電子的送信に関税を課さない現在の慣行を維持することに同意した。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)の違反申し立てや、非違反申し立て一時停止期間をMC14まで延長することを決定した。

今回の会合では、東ティモールとコモロのWTO加盟が正式に承認された(第13回WTO閣僚会議、ブラック参照)。

MC13で議論の収束が困難だった全ての分野については、交渉を継続することで合意している。

(清水美香)

(世界、アラブ首長国連邦、東ティモール、コモロ)

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