米CDC、新型コロナ感染のガイダンスをインフルエンザなど呼吸器系ウイルス感染と一体化
(米国)
ニューヨーク発
2024年03月05日
米国疾病予防管理センター(CDC)は3月1日、新型コロナウイルス、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)などの呼吸器系ウイルス感染に関するガイダンスを更新したと発表した。これにより、新型コロナウイルスに感染した際も、インフルエンザやRSVなどと同じ対応が推奨される。CDCは発表で、全ての呼吸器系ウイルスが同じように作用するわけではないものの、病気のまん延を抑えるために統一されたアプローチを取ることは、ガイダンスによる推奨事項の順守を容易にするとその目的を説明している。
今回更新したガイダンスによると、呼吸器系ウイルスに感染した際に、他人との接触を避け、自宅で安静にすることの推奨は以前と変わらない。通常の活動に戻るには、全体的に症状が改善してから少なくとも24時間が経過し、発熱があった場合は解熱剤を使用せずに熱が下がってからということを推奨している。活動再開後は自己隔離の推奨はないものの、換気や衛生習慣の強化、フィットするマスクの着用、他人との距離を保つこと、呼吸器ウイルス検査の受診など、感染拡大を防ぐ予防策を5日間継続することを推奨している。
これらの推奨事項は特に65歳以上の人に重要とし、CDCのマンディ・コーエン所長は2月28日、この年齢層の人が新型コロナに対する追加の改良ワクチンを接種することを予防接種実施諮問委員会(ACIP)が推奨したことに支持を表明した。
今回のガイダンス更新のきっかけは、新型コロナ感染による入院や死亡が米国内で減少していることが理由だ。新型コロナが脅威なのは変わりないものの、免疫を持った人の増加と感染防止・治療手段の進歩によって、重症化する可能性がはるかに低くなっているためだとした。
(吉田奈津絵)
(米国)
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