食料インフレが継続、世界銀行は対応強化

(中東、アフリカ、世界)

調査部中東アフリカ課

2024年03月06日

世界銀行が2月19日に発表した食料安全保障/食料不安の高まりに対する世界銀行の対応外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、世界の食料価格インフレ率は依然として収まらず、入手可能な最新月のブラック ジャック 必勝 法では、多くの中低所得国で高いインフレが見られ、低所得国の57.9%でインフレ率が5%を超えている。

さらに、パナマ運河や紅海などでの輸送の混乱は輸送コストの増加や配送の遅延など、世界のバリューチェーンに影響を与えている。

前年同期比の実質食品インフレ率では世界の上位10カ国・地域(添付資料表1参照)のうち4カ国がアフリカだった。

食料危機に対する「グローバルネットワーク」(注)が作成した「2023年の資金の流れと食料危機報告書」では、食料危機に直面している国や地域が多額の外部資金を受けており、過去7年間でこれらの地域は人道的援助として提供された世界の資金のうち4分の3、開発援助として提供された世界の資金のほぼ3分の1を受け取っているものの、深刻な食料不安に対処できていないとしている。

さらに、ロシアのウクライナ侵攻の影響による世界的な食料危機は、各国が自国への供給を安定させるために輸出に制約を課すケースが増加し、悪化する傾向にある。2月12日の時点で16カ国が23件の食品輸出禁止措置を実施し、8カ国が15件の輸出制限措置を実施している(中東・アフリカ諸国の輸出制限は添付資料表2参照)。

このような状況下、世界銀行は食料安全保障への対応を拡大し、各種プロジェクトなどを通じて450億ドルを提供する計画だ。これにより、栄養不足人口の44%に相当する3億3,500万人が恩恵を受けると見込まれる。現在の中東・アフリカの主な支援案件は次のとおり。

  • アフリカ東部・南部アフリカ:27億5,000万ドルの食料システム強靱(きょうじん)化プログラム。
  • ブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガル:1億7,500万ドルのサヘル灌漑イニシアチブ地域支援プロジェクト
  • 西アフリカ:7億6,600万ドルの食料システム回復プログラム。セネガル、シエラレオネ、トーゴに対してさらに3億4,500万ドルの追加資金を準備。
  • イエメン:1億5,000万ドルの食料安全保障対応・強靱化プロジェクト。
  • ヨルダン:1億2,500万ドルの農業セクターの発展強化。
  • チャド、ガーナ、シエラレオネ:3億1,500万ドルの食糧システムの回復力向上。
  • エジプト:5億ドルの緊急食料安全保障・強靱化支援プロジェクト。
  • チュニジア:1億3,000万ドルの融資。重要な軟質小麦の輸入に資金を提供。

(注)グローバルネットワーク:EU、国連食糧農業機関(FAO)、国連世界食糧計画(WFP)が2016年の世界人道サミットで設立した機関

(中口克哉)

(中東、アフリカ、世界)

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