米ハワイ州知事が訪日、ハワイへの渡航障壁軽減の取り組み強調
(米国、日本)
ロサンゼルス発
2024年03月28日
米国ハワイ州のジョシュ・グリーン知事(民主党)は3月15~23日に日本を訪問し、日本政府や企業の関係者と会談を行った。訪日中に出した声明では、日本とハワイ間の渡航障壁を軽減する取り組みを推進し、米国政府や日本政府、民間企業とのパートナーシップの下、観光業の強化や経済成長の促進を通じて、ハワイと日本の絆を深めることに尽力していると強調した。
グリーン知事は声明で「われわれは『トラベル・コリドー』のコンセプトを通じて、旅行推進に取り組んでおり、ハワイを訪れる日本国民にとって、より効率的で便利で安全な旅行を実現する」と述べている。具体的には、プレ・クリアランス(注1)の取得やグローバル・エントリー(注2)の拡大を目指している。このうちグローバル・エントリーについては、バイデン政権と日本政府は2024年後半までに上限人数を撤廃するために協議を行っているという。
ハワイ州産業経済開発観光局によると、2024年1月の日本からの訪問者数は5万2,911人で、前年同月比63.8%増と大きく増加しているが、2019年1月と比較すると、56.1%減で、新型コロナウイルス禍前の水準には戻っていない。訪問者数回復の遅れについては、為替レートやインフレによる旅行コストの上昇が主な要因とされているが、こうした渡航障壁軽減の取り組みが訪問者数回復に資することが期待される。
(注1)米国税関・国境警備局(CBP)が運営するプログラムで、旅行者は米国到着時ではなく、出発空港で税関・入国審査を受けることができるというもの。
(注2)CBPが運営するプログラムで、事前に承認された旅行者が米国に到着した際の税関・入国審査を迅速化するもの。書類作成が不要なことや、待ち時間が短縮されることなどのメリットがある。現在、グローバル・エントリーのステータスを持つ日本人は1,500人まで認められているとされている。
(堀永卓弘)
(米国、日本)
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