米大統領予備選の共和党フロリダ州もトランプ氏勝利、本選では無党派層の動向に注目
(米国)
アトランタ発
2024年03月21日
米国で3月19日、2024年大統領選挙に向けてフロリダ州で予備選挙が行われ、共和党ではドナルド・トランプ前大統領が勝利した。一方、民主党は予備選挙候補者として、ジョー・バイデン大統領の名前のみ提出したため、選挙が中止され、バイデン大統領が同州の全代議員を獲得した。
CNNによると、共和党予備選の開票率98%時点で、トランプ氏が81.2%の得票率を得ている。なお、3月12日のジョージア州などの予備選結果を受け、バイデン氏とトランプ氏が各党の候補者指名を獲得している(2024年米大統領選、ブラック)。
米国の大統領選挙は、各党が指名した「選挙人(477KB)」に対し有権者が投票する間接選挙だ。選挙人は国勢調査などに基づき各州に配分されており、フロリダ州にはカリフォルニア州(54人)、テキサス州(40人)に次ぎ、全米で3番目に多い30人が割り当てられている。共和党予備選に立候補していたロン・デサンティス氏が州知事を務めるなど、フロリダ州は共和党が優勢な州だ。同州では、過去2回の大統領選でトランプ氏が勝利しており、11月の大統領選でもトランプ氏が勝利する可能性が高いとされている(政治専門紙「ポリティコ」3月19日)。
フロリダ州選挙管理局の登録有権者数では、2023年12月31日時点で共和党支持者が約514万人、民主党支持者が約436万人、無党派が約353万人、小規模政党支持者が約32万人となっており、無党派層が約26%を占めている。
フロリダ州民主党のニッキー・フリード委員長は、民主党が民主党票だけでは選挙に勝てないという認識を示し、無党派層からの支持を集めることに取り組むとしている。党派政治を超越したメッセージの発信が重要で、同州の財産保険問題(注)への対応、全米で最も高い住居関連費用、手頃な価格の住宅の不足、同州の厳格な中絶法との闘いなどを大統領選の争点とし、無党派層や穏健派共和党員の支持獲得を目指す(タラハシーデモクラット3月19日)。
ジェトロの特集ページ「特集カジノ 無料米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。
(注)フロリダ州議会が設立した非営利損害保険会社のシチズンズの支払い能力について、連邦議会などから懸念が示されている。
(檀野浩規)
(米国)
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