2月の米消費者物価指数、コア指数低下の足取り遅く、3月利下げ遠のく

(米国)

ニューヨーク発

2024年03月14日

米国労働省が3月12日に発表した2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.2%と、先月の3.1%上昇から伸びがわずかに加速した。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は無料 カジノ ゲームからわずかに低下し、同3.8%上昇となった。無料 カジノ ゲーム比では、CPIは0.4%上昇(無料 カジノ ゲーム0.3%上昇)、コア指数は0.4%上昇(無料 カジノ ゲーム0.4%上昇)だった。市場予測では、CPIが前年同月比3.1%上昇、無料 カジノ ゲーム比0.4%上昇、コア指数が前年同月比3.7%上昇、無料 カジノ ゲーム比0.3%上昇で、総じて市場予想を上回る伸びとなった(添付資料図1、表参照)。

品目別に前年同月比でみると、エネルギーは1.9%下落(無料 カジノ ゲーム4.6%下落)と下落幅が縮小。うちガソリンは3.9%下落(無料 カジノ ゲーム6.4%下落)だった。

食料品は2.2%上昇(無料 カジノ ゲーム2.6%上昇)、外食は4.5%上昇(無料 カジノ ゲーム5.1%上昇)と、いずれも伸びが鈍化した。

エネルギーと食料品を除いた財は0.3%下落(無料 カジノ ゲーム0.3%下落)と、下落に転じた。内訳では、中古車が1.8%減(無料 カジノ ゲーム3.5%下落)となったほか、新車が0.4%上昇(無料 カジノ ゲーム0.7%上昇)、衣料品が0.0%上昇(無料 カジノ ゲーム0.1%上昇)と、財部門は全般的に低調だ。

サービスは5.2%上昇(無料 カジノ ゲーム5.4%上昇)と、若干低下した。低下の要因となったのが物価のうち3割超のウエートを占める住居費で、前年同月比5.7%上昇(無料 カジノ ゲーム6.0%上昇)と、小幅に鈍化した。内訳では、帰属家賃(注)が6.0%上昇(無料 カジノ ゲーム6.2%上昇)、賃料は5.8%上昇(無料 カジノ ゲーム6.1%上昇)で、引き続き鈍化した。サービスで目立った鈍化が見られたのはこの分野のみで、自動車保険など輸送サービスは9.9%上昇(無料 カジノ ゲーム9.5%上昇)、医療サービスは1.1%上昇(無料 カジノ ゲーム0.6%上昇)し、これらを含めた住居費を除くサービス価格は前年同月比3.9%上昇(無料 カジノ ゲーム3.6%上昇)と、2カ月連続で上昇幅が拡大した(添付資料表参照)。

CPIは2023年6月に前年同月比3%まで低下して以降、それ以下になることはなく、エネルギー価格の動向次第で3%を若干上回る数値で小幅に上下している状況だ。コア指数は、住居費の緩やかな低下に依存しながら、2カ月ごとに0.1ポイントずつ低下している状態で、その歩みは非常に遅い(添付資料図2参照)。賃金上昇率の低下は秋以降ほぼ足踏み状態であり(2024年3月13日記事参照)、これに大きく左右される「住居費を除くサービス価格」はむしろ加速傾向すらうかがえる。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始して以来、エネルギーや財部門のインフレ率低下に支えられ、失業率の上昇など労働市場に大きな痛みを伴うことなく、インフレ率低下を実現してきたものの、物価安定目標の2%の達成に向けたラストワンマイルの達成には、やはり労働市場の一段の減速が必要なことを示唆している。2月の雇用統計や今回の結果を踏まえれば、3月19、20日に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われる可能性は限りなくゼロに近いだろう。同会合ではFOMC参加者による中長期経済見通しも示される予定で、金利や物価の見通しに変化が生じるのか注目だ。

他方で、11月の大統領選挙を控える中で、こうした労働市場の一段の減速、また、これを実現するためのFRBによる金融引き締めの継続が米国社会で許容されるかどうかは微妙な情勢だ。ジョー・バイデン大統領は、選挙演説で「金利を決定するあの小さな組織」と言及し、「保証はできないが、金利はきっと下がるに違いない」と述べるなど、FRBが利下げに転じることを期待する発言を始めるとともに(ロイター3月9日)、新たに住宅コストを引き下げる計画を発表(バイデン米政権、ブラック ジャック)するなど、FRBによる金融引き締めの効果を弱めるような財政政策を打ち出し始めている。今後、FRBに対する利下げ圧力はますます強くなっていきそうだ。

(注)自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払いは発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したもの。

(加藤翔一)

(米国)

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