2023年の自動車生産、輸出、国内販売台数、12月に落ち込む

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年02月02日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)の1月4日の発表によると、2023年の生産台数は61万715台で、前年比13.7%増加した。同期間の輸出台数は32万5,894台で、前年比1.1%増加した。仕向け地別では、ブラジル向けが20万7,744台で前年比2.6%増、全体の63.7%を占めた(添付資料表参照)。

2023年の生産、輸出台数は11月までは伸び率に陰りが見えていたものの、台数そのものは前年を上回っていた。ところが、12月は生産、輸出とも台数そのものが落ち込んだ。

12月の自動車(トラック、バスを除く)生産台数は、前月比34.6%減、前年同月比0.4%減の3万6,973台だった。同月の輸出台数も前月比28.2%減、前年同月比3.5%減の2万1,810台だった(添付資料図1、図2参照)。

また、アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、2023年の国内自動車販売(自動車登録)台数は43万9,112台と、前年より11.0%上回った。2023年の国内販売台数を月別でみると、おおむね10月までは好調な販売が続いていたが、11月に減少、12月はさらに大きく落ち込んだ。12月の自動車国内販売(新車登録)台数(トラック、バスを含む)は前月比48.8%減、前年同月比5.1%減の1万8,022台だった(添付資料図3参照)。

2024年の国内販売見通し、下方修正が必要

マルティン・ズッピADEFA会長は「2023年の生産台数は見通しを下回ったものの、前年比で増やすことができた。2024年の見通しについては、新政権が輸入取引の未払い代金の問題をどのように解決するか、また、内国税や輸出税についてどのような決定をするかがカギとなる」と述べた。また、ACARAのセバスティアン・ベアト会長は「選挙の実施や、自国通貨ペソの下落などが販売の落ち込みに影響したが、全体的な数字には満足している」と述べ、「2024年の販売登録台数の見通しは34万台とみているが、下方修正が必要」と説明した。

自動車などが対象となっている内国税〔通称「奢侈(しゃし)税」〕は課税対象となる自動車の小売価格を定めているが、高級車でなくとも課税対象となっており、販売の落ち込み要因の1つともなっていた。

この問題を受けて、新政権は1月26日、政令84/2024号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、課税対象となる自動車の価格を引き上げた。これによって、1,982万6,151ペソ超(約356万8,707円、1ペソ=約0.18円、その他の税や手数料を含めた小売価格は2,820万ペソ)の価格の自動車に20%を課税するとした。これまでの課税対象価格は1,063万4,800ペソだった。また、3,660万2,126ペソ超(その他の税や手数料を含めた小売価格は6,300万ペソ)の価格の場合は35%が課税される。この場合、これまでの課税対象価格は1,913万5,000ペソだった。この変更によって、販売台数の増加につながるか注目される。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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