輸入食品の新たな国境管理の運用開始
(英国)
ロンドン発
2024年02月08日
英国政府は1月31日、輸入食品に関する新たな国境管理の運用を開始した。EU離脱後、英国はEUを含む全ての国からの輸入食品に対して「国境目標運用モデル(Border Target Operating Model、BTOM)」と呼ばれる新たな国境管理を導入することを発表していた(関連ブラック ジャック ゲーム)が、手続きの煩雑化の懸念や物価高への影響などを考慮して延期されてきた。BTOMは3段階で導入されることとなっており、2024年1月31日からの第1段階の措置はEUから英国への輸入にのみ適用される。4月30日からの第2段階の措置は日本を含む非EU地域からの輸入にも適用される。
政府は同日、「バイオセキュリティーと動植物病疫予防を向上させる大きな前進」と題するプレスリリースを発表。これまで輸出衛生証明書や植物検疫証明書なしにEUから英国に輸入されていた中リスク(注)の動物性製品、植物、植物製品にそれら証明書が必要になること、低リスクの商品は安全なものであればより自由に輸入されること、申告のデジタル化や「貿易一括窓口(Single Trade Window)」と呼ばれる手続き一元化により事業者の手間が削減できることなどを説明した。
2023年8月30日に公表されているBTOMのガイダンスによれば、EU域外国から英国への輸入について、2024年4月30日から適用される変更点は次のとおり。
- EU域外国から輸入される低リスクの動物性製品については基本的に、衛生証明書および国境での日常的な検査は不要となる。
- EU域外国から輸入される特定の低リスクの植物および植物製品については、リスクアセスメントの裏付けがある場合、輸入規制の要件の撤廃が開始される。当該製品については、衛生証明書および国境での日常的な検査は不要となる。
- 中リスクの動物性製品については、EU域外国からの輸入の場合、証明書および現物検査と国境での介入のレベルを現行より引き下げる。
(注)リスク分類については、英国政府による非EU地域から輸入される動物製品のリスク分類、非EU地域から輸入される植物および植物製品のリスク分類および関連ブラック ジャック参照。
(林伸光)
(英国)
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