ネタニヤフ首相、人質全員の解放まで軍事的圧力の継続表明
(イスラエル、パレスチナ、米国)
テルアビブ発
2024年02月20日
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2月17日、イスラエル首相府で記者会見を行い、ガザ地区での目標の1つに掲げる全ての人質解放について「人質を解放するためのわれわれの政策の神髄は強力な軍事的圧力と厳しい交渉姿勢にある」とし、「これまで112人の人質を解放しており、人質全員を解放するまで、このやり方で行動し続ける」と述べた。さらに「ハマスの要求は妄信的だ。ハマスが妄信的な要求を取り下げたときのみ(人質交渉を)前に進めることができる」と語った。
ハマスとの軍事衝突が始まって以来、避難を余儀なくされているイスラエル北部と南部の住民に対して、ネタニヤフ首相は「あなた方を安全に故郷に戻すことを約束する」とした上で、「南部では目標達成に近づいており、北部では外交的または軍事的にこれを実行する」と述べた。
ネタニヤフ首相はガザ地区南部のラファでの作戦について、「イスラエルは完全な勝利を達成するまで戦う」とし、「ラファでの作戦を阻止しようとする者は誰であれ、実質的にわれわれに戦争に負けろと言っているのだ」と批判し、「私はそれを許さない」と強調した。
米国のジョー・バイデン大統領は2月15日、ネタニヤフ首相と電話会談を行った。ホワイトハウスによると、バイデン大統領は全ての人質の早期解放を支援するため、たゆまぬ努力を続けることを再確認した。大統領はまた、ラファの状況についても提起し、ラファの市民の安全を確保し、支援するための信頼できる実行可能な計画でなければ、軍事作戦を進めるべきでないとの考えをあらためて示した。
イスラエル首相府は2月18日、イスラエル政府が全会一致で、(1)イスラエルはパレスチナ人との恒久的な和解に関する国際的な指示を完全に拒否すること、(2)イスラエルはパレスチナ国家の一方的承認に反対し続けることを承認したと発表した。
なお、ロイターは2月19日、イスラエルが今後6〜8週間、ガザでの本格的な軍事作戦を継続する見込みと報じている。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、米国)
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