中東最大級のスタートアップイベント、ドバイで活況

アラブ首長国連邦（UAE）のドバイで2月21～22日、12回目の中東最大級のスタートアップベント「Step Conference 2024」が開催された。2012年の初開催以来、新型コロナウイルス禍でのオンライン開催を経ながらも、徐々にその規模を拡大し、今回は「Start」（注1）、「Fintech」「AI（人工知能）」「Digital」「Wellness」「Earth」（注2）の6テーマに沿ったカンファレンスが実施された。

会場のDubai Internet Cityには、資金調達やネットワーキングを目的とするスタートアップ（SU）やSU向けの支援を提供するアクセラレーターなど約400社・団体が屋内外に出展ブースを設置。2023年は8,000人以上の来場者を迎えた同イベントは今回も同様の盛り上がりを見せ、投資家やメンターとの個別面談やワークショップが同時開催され、オープンな場で出展者や来場者が自由に議論を交わす姿が見られた。

欧米SUのブース出展も一部あったが、主に中東・北アフリカ（MENA）地域に拠点を置くSUのもので、フィンテック、Eコマース、ITソリューション分野の企業が多く見られた。また、エドテック（教育関連）のブースが随所にあり、関心の高さがうかがわれた。6～18歳の学生向けにAIを活用したオンラインプログラミングコースを提供するエジプト発のiSchoolは、アブダビのHub71にオフィスを構えて成長し、2023年12月には450万ドルの資金調達を果たした。Step Conferenceはベンチャーキャピタル（VC）や投資家などとの有効な出会いの場だと感じているという。

なお、このイベントはUAEのDtecやHub71などの国内主要アクセラレーターのほか、グーグルやマイクロソフトなどのグローバル企業もパートナーとして参画し、イベントを支えている。2019年以降はドバイに加えてサウジアラビアのリヤドでもStep Riyadhを開催し、MENA地域のSUエコシステムをそれぞれの主要ハブから盛り上げている。

（注1）Start Track：スタートアップの成功体験や成長戦略、投資の実態などがテーマ。テックインフルエンサーによる基調講演やパネルディスカッション、ディベートを実施。

（注2）Earth Track：グリーンテック、インパクト、持続可能性がテーマ。より持続可能な未来に向けての最新技術や戦略について議論。

（ガーダ・アシュラフ、堀田萌乃）