コモロ、現職のアザリ大統領が再選、WTOは近く加盟承認
(コモロ)
ヨハネスブルク発
2024年02月01日
コモロの大統領選挙が1月14日に実施され、現職のアザリ・アスマニ大統領が5人の対立候補を抑えて当選を果たし、4期目を迎えることとなった。同大統領は1999年のクーデターで政権を掌握した後、2006年に一度退いたが、2016年に当選を果たした。最終的に今回の選挙の投票総数は19万1,297票(登録有権者数の56%)と発表され、うち52%(9万9,541票)を獲得したと報じられている。
メディア報道では、同日にアザリ大統領は勝利宣言を行ったが、野党は選挙の不正を訴え、抗議活動が発生した。コモロの米国大使館は19日、HPで「コモロ政府が今回をきっかけに選挙プロセスの透明性を確保し、その制度に対する信頼を高め、今回および将来の選挙の完全性を確保することを希望する」とコメントしている。
コモロは2月26~29日にアブダビで開催されるWTOの第13回閣僚会議(MC13)で、WTO正式加盟が承認される予定だ。コモロは2007年に加盟を申請し、これに係る作業部会が2016年に発足され、国際貿易ルール順守などに関して、加盟国と交渉手続きが進められていた。WTOは1月9日、コモロが加盟条件について加盟国と合意したと発表した。
コモロのカマルディニ・スエフ郵政・電気通信・デジタル経済担当相(コモロ代表団長)は「WTOへの加盟で終わるべきでなく、むしろ、より野心的なプロジェクトへの出発点だ。WTO加盟の公約に沿って、財政管理の近代化を図り、開発に向けたより効果的なツールとしたい」と強調した。WTO加盟は、市場アクセスの拡大という点で同国の経済にプラスの影響を与えることが期待される。
コモロはインド洋に浮かぶ島しょ国で、人口約89万人。2024年の実質GDP成長率は3.5%と予測。歴史的にフランスとのつながりが強く、主要宗教はイスラム教、公用語はフランス語、アラビア語、コモロ語。アザリ大統領はアフリカ連合(AU)の総会議長を務める。
なお、WTO加盟作業中の国・地域は残り22カ国あり、アフリカ地域からはアルジェリア、エチオピア、サントメ・プリンシペ、スーダン、赤道ギニア、ソマリア、南スーダン、リビアが加盟を希望している。
(堀内千浪)
(コモロ)
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