AI業界に対し1億ポンド超の支援を発表、イノベーション促進に重点
(英国)
ロンドン発
2024年02月19日
英国政府は2月6日、2023年3月に発表したAI規制白書に関する意見公募に対する回答を発表した。それに合わせて、AI(人工知能)の安全な開発や規制当局のスキルアップに向け総額1億ポンド超(約189億円、1ポンド=約189円)を支援することを表明した。
具体的には、責任あるAIの開発に向けた英国での9つの研究ハブの設立(添付資料図参照)と、米国とのパートナーシップ構築に向けて9,000万ポンドを拠出するほか、英国の研究者などが国際的パートナーと協力することを支援する国際科学パートナーシップ基金を通して、英米連携の研究プロジェクトに対し900万ポンドを投じる。AIの導入加速や効率性の向上を支援するため、政府系研究資金助成機関イノベートUKによる英国企業のAI活用を後押しするプログラム「ブリッジAI」を通じて、信頼性が高く責任あるAIや機械学習技術を開発する21件のプロジェクトに対し1,900万ポンドを拠出。そのほか、規制当局がリスクや可能性を監視し、対処するための最先端の研究と実践的なツール開発の支援に向け1,000万ポンドを拠出する。
英国政府はまた、2月15日にブラック ジャック 必勝 法通信庁(Ofcom)、競争・市場庁(CMA)などの主要な規制当局に対し書簡を出し、AI技術の管理に向けた取り組みについて4月30日までに報告するよう指示した。各分野におけるAI関連のリスクやそれらに対処する現在の能力、リスク対策方法および今後1年間の取り組みについて説明することを求めている。AI開発者を対象に拘束力のある要件を設定する考えについても初めて打ち出した。
英国政府はAIによるリスクについて、既存の当局に対して、対象を絞ったかたちで対応する権限を付与していく方針としている。
AIを活用した公平性促進も支援
英国政府は2月6日、英国の科学・イノベーション・技術省により実施された「AI公正イノベーションチャレンジ」の助成対象プロジェクトを4件発表した。高等教育、医療、金融、人材採用の分野でAIを活用しAIに対する偏見や差別に対応する4件に対して、それぞれ最大13万ポンドを支援する。
(チャウジュリー・クリシュナ)
(英国)
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