オランダ政府、送電会社テネットに250億ユーロ融資を提案

(オランダ、ドイツ)

アムステルダム発

2024年01月19日

オランダ政府は1月12日、国営送配電事業者のテネットに、不足する電力網(グリッド)増強のため、250億ユーロの融資を検討していると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

当該融資は、2023年から検討されている同社ドイツ事業のドイツ連邦政府への売却交渉の結果が出るまでの間の投資資金調達を目的としている。

テネットはオランダとドイツで送配電事業を展開しており、両国で現在計画している投資のため、2024年に約130億ユーロの資金を調達する必要がある。また、信用格付けを維持するため、2025年の資金調達(約120億ユーロ)のめどを2024年内に示す必要もある。そのため、政府は、同社が2024年と2025年に必要となる合計250億ユーロを融資する意向だ。政府はこの融資案を議会へ提出し、上下両院に対して3月1日までに承認するよう要請した。

テネットは2023年からドイツ連邦政府と、同社のドイツ事業の売却に向けて交渉を行ってきたが、現時点で合意に至っていない。

テネットは融資に関して市場ベースの金利を支払い、2030年から2040年の間に借入額全額を返済する必要があるが、同社のドイツ事業の売却が完了した場合、融資の全額または相当部分を直ちに返済し、残額を2030年から2040年に返済する条件で政府と合意している。

ドイツ連邦憲法裁判所は2023年11月、新型コロナウイルス関連対策予算を気候変動のための基金に転用する政府の予算案に関して、違憲判決を発出しており(2023年12月28日記事参照)、この影響でテネットのドイツ事業売却に関しての動きが停滞していた。

(望月竜之介)

(オランダ、ドイツ)

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