対ドル公定為替レートと市中取引レートの乖離是正する方針発表

エジプト内閣府は1月5日、通貨エジプト・ポンドの対ドル為替レートについて、公定レートと市中レートの乖離を是正するために、「より柔軟な為替政策の適用」を検討する指針を発表した。同指針は、IMFによる2024～2028年の平均レートの予測値1ドル＝36.83エジプト・ポンドを「より柔軟な為替政策の適用」の基準として取り上げている〔1月4日時点でエジプト中央銀行（CBE）発表の公式レートは1ドル＝30.89エジプト・ポンド〕。

CBEは過去にも「市場の需給を踏まえたより柔軟な変動相場制への移行」を発表したが（関連ブラック ジャック トランプ）、実際には2023年初に実施された通貨切り下げ以降、公定レートはほぼ横ばいの状態だった（添付資料図参照）。一方で、報道によると、市場で取引されるドルの価値は上がり続けており、1ドル＝50ポンド近い数字で取引されることもあるという。12月には、香港上海銀行（HSBC）がエジプト・ポンドの対ドル価値が2024年第1四半期（1～3月）中に1ドル＝40～45エジプト・ポンドまで下落するとの見通しを示し、現地報道で大きく取り上げられた。

（塩川裕子）