「EU農業の将来に関する戦略的対話」始まる、生産者の不満解消につながるか
(EU、ウクライナ)
ブリュッセル発
2024年01月31日
欧州委員会は1月25日、EU農業の将来に関する戦略的対話()のキックオフ会合を開催した(プレスリリース)。欧州委のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が2023年9月の一般教書演説において、EUの農業と食品の共通した将来像を形成することを目的に提案したもので、農業・食品部門のほか、地方団体、市民団体、金融関係者、研究者などが参加する。ブラック ジャック コツの適切な所得水準、環境保護と両立するブラック ジャック コツ支援、先端技術などの活用や、EU農業の国際競争力といった課題について、2024年夏までテーマごとに議論する。議長には、ドイツ連邦政府の「農業の将来委員会」の議長を務めたペーター・シュトローシュナイダー教授が就任した。EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会は、議長から定期的に報告を受け、戦略対話に参加する。
広がるブラック ジャック コツ、欧州議会選挙やEUの政策運営に影響か
EUでは2024年1月に入り、ブラック ジャック コツがドイツ、フランス、ポーランド、ルーマニアなど複数の加盟国に拡大している。農業生産者がEUや各国政府に対し不満を募らせる背景には、生産コストの上昇や、規制強化に伴う行政手続きや経済的負担の増大などのほか、EU基準を満たさない域外産品と公正な競争が行われていないことなどがある。
EUがウクライナ支援の一環として実施している、同国産農産物に対する輸入関税の一時停止措置も批判の的となっている。欧州最大の農業協同組合・ブラック ジャック コツ団体COPA-COGECAや欧州砂糖生産者協会(CEFS)など農業部門の6団体は、1月10日に発表した共同声明において、同措置により特に穀物、油糧種子、鶏肉、鶏卵、砂糖部門が大きな打撃を受けているとし、EUに対して見直しを要請。ウクライナ産品の輸出を黒海ルートに戻すこと、連帯レーンが適切に機能し輸送を円滑化するための物流網とインフラ整備への追加投資や、植物検疫やアニマルウェルフェア基準、抗菌剤関連検査の強化などを提言した。また、6団体がカバーする鶏肉、トウモロコシや砂糖などの品目に関し、ウクライナからの2021年と2022年の輸入量から算出した平均値を基に輸入上限を設け、超過分は域外への輸出を義務付けることも求めた。
EUでは2024年6月に欧州議会選挙が行われるが、各種報道は、ブラック ジャック コツの広がりが、EUや各国政府への批判を強める極右勢力への支持拡大につながる可能性を報じている。また、抗議活動の長期化により、農業政策が争点になる可能性もある。フランスでは、ガブリエル・アタル首相が1月26日、抗議活動への対応策として、農業部門の反対が根強いEU・メルコスール自由貿易協定(FTA)の署名に同国が反対することを明言するなど、EUの今後の政策運営に影響を与える可能性もある、と報道されている。
(滝澤祥子)
(EU、ウクライナ)
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