2023年の乗用車生産台数は前年比14.8%増加

(チェコ)

プラハ発

2024年01月19日

チェコ自動車工業会の1月17日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2023年の国内自動車生産台数は前年比14.8%増加し、139万7,816台に達した。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(142万7,563台)の水準には及ばなかったものの、過去4年間で最高を記録した(添付資料図参照)。

同工業会は、数々の逆境の中、前年比約15%増を達成したことを評価している。マルチン・ヤーン会長は「グローバルに密接に連結している自動車産業においては、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの軍事衝突、エネルギー価格高騰、長期的に逼迫した労働市場、春から夏にかけて発生したサプライチェーンの混乱などの影響が顕著に表れた。アジアの競合企業による圧力も高まっている。このような状況にかかわらず約140万台の生産を達成し、2017~2019年の水準まで回復した」と述べた。

同会長は、電動車の生産台数が18万887台(前年比34%)と大幅に増加したことにも言及し、チェコの自動車産業が世界的トレンドに順応している点を強調した。2023年のバッテリー電気自動車(BEV)の生産台数は13万571台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が5万316台だった。全生産台数に占める電動車の割合は12.9%で、前年の11.1%から増加した。

2023年の実績をメーカー別にみると、最大メーカーのシュコダ・オート(フォルクスワーゲングループ)の生産台数は86万4,889台で、前年比24.8%増と大幅な伸びを示した(添付資料表参照)。うち電動車は10万8,835台(BEV 8万6,732台、PHEV 2万2,103台)で、全体の12.6%を占めた。トヨタモーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)は19万2,427台で、4.9%減だった。同社は、チェコ国内のサプライヤーで発生した火災のためプラスチック部品の調達が滞り、8~9月に長期生産停止を余儀なくされた。そのため月間生産台数が、8月は前年同月比66.9%減、9月は77.3%減と大幅に減少した。TMMCZはハイブリッド車(HV)を生産しているが、自動車工業会ではHVの統計は公表していない。現代チェコの生産台数は34万500台で、5.6%増と堅調な伸びを示した。うちBEVは4万3,839台、PHEVは2万8,213台で、電動車の生産台数が全体に占める割合は21.2%だった。

ヤーン会長は2024年の展望に関して、「引き続き様々な問題への対処が求められるとしても、2023年と同様に、チェコの自動車産業がチェコ経済の原動力、そして最もイノベーションが進む産業としての地位を維持すると確信している」と前向きな姿勢を示している。

(中川圭子)

(チェコ)

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