2024年政府予算書を発表、財政再建を目指す
(ガーナ)
アクラ発
2024年01月31日
ガーナで2024年の予算書が、国会審議を経て2023年12月7日に発表された。国会審議では賛成138に対し、反対136の僅差での承認となった。
2022年12月に事実上のデフォルトに陥り、IMFの拡大クレジットファシリティーを受け入れたため、2023年は財政健全化のために政府歳入増を目指す増税政策が目立った。2024年の予算書は、IMFの方針に従いつつも、12月に大統領選挙を控えていることなどから、市民に対して大きく直接負荷を増やす政策はあまり見られない。一方、2024年の歳入総額は1,764億セディ(約2兆1,168億円、1セディ=約12円)で、2023年の修正予算の1,349億セディに比べて31.8%の増収を見込み、その歳入増は主に財・サービス税、所得・財産税の増加によりもたらされるとしている。申告制度の簡素化を含め、直接税の自発的な納付を促すなどコンプライアンスを強化するとしている。
政府の2024年の主な経済運営目標値は、次のとおり。
- 実質GDP成長率2.8%以上
- 非石油実質GDP成長率2.1%以上
- インフレ率12月末までに15.0%
- コミットメントベースの基礎的財政収支(プライマリー・バランス)がGDP比0.5%の黒字であること
- 外貨準備高:66億ドル(輸入の3.0カ月分)以上
また、政府は2024~2027年(4年間)の期間における主な優先事項として次をあげている。
- IMFプログラムを実施し、マクロ経済の安定、財政再建、歳入の拡大、歳出の合理化、構造改革、社会保護に取り組むこと
- 債務再編プログラムの完了
- 付加価値に焦点を当てた成長戦略の策定と実施、輸出促進、国内外の投資、農業、工業、観光、繊維・衣料品、デジタル技術に焦点を当てた成長戦略の最終決定と実施
- グリーン成長のための気候変動資金の活用
- 新たなプロジェクトを立ち上げ、現在進行中の貧困撲滅のためのインフラ整備プログラム(IPEP)プロジェクトを完了させること
- 道路インフラの整備
- 地方の電化と電話回線の整備
- 平和と安全の促進
- 2024年の総選挙(統治機構、NCCE、選挙管理委員会)
(関根広亮)
(ガーナ)
ビジネス短信 8bb97d5f6b675b98