エルニーニョ現象による森林火災が多発
(コロンビア)
ボゴタ発
2024年01月26日
エルニーニョ現象による少雨と高温がコロンビア全土を襲い、森林火災が急激に増加している。国家災害リスク管理局(UNGRD)によると、1月24日時点で国内で25件の森林火災が発生している。このうち12件がボゴタ首都区を取り囲むクンディナマルカ県、4件がボヤカ県などとなっている。25日の当地各紙の報道では31件と、日ごとに増加しているもようだ。
同局が1月25日にX(旧ツイッター)上で公表したところによると、コロンビアでは2023年11月以降、全国174市で合計336件の森林火災が発生し、被害は合計6,618ヘクタールに及んだ。また、政府機関の水文・気象・環境研究所(IDEAM)は1月25日に行ったメディア向け会見で、エルニーニョによる降雨不足と、カリブ海やアンデス地域で少雨の季節となることから、2月は2024年で最も気温が高い月となる見込みで、977の市町村が森林火災の脅威にさらされていると報告した。さらに、エルニーニョの影響は3月には安定するものの、そのまま4月まで持続する可能性があるとした。社会面、環境面など広範な影響が予想される中、経済面では農畜産品の生産低下や、渇水による電力不足が再びインフレ上昇を引き起こすとの警戒感が強まっている。
首都ボゴタ市では1月22日に3カ所で火災が発生した。特に市の東側に広がる山林で発生した火災は25日現在も完全な鎮火には至っていない。市内ではこれらの火災によるばい煙が充満し、エルドラド国際空港では視界不良のため遅延や欠航が相次いでいる。ボゴタ市では数週間にわたって降雨が見られず、同市としては高温となる20度以上を記録する日が続いている。
(豊田哲也)
(コロンビア)
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