EV3.5に基づく輸入関税減免の財務省告示が発出、エコカーの軽減物品税率も2年延長へ

(タイ)

バンコク発

2024年01月10日

タイ財務省は12月28日、電気自動車(EV)普及策「EV3.5」(EV普及策「EV3.5」を閣議決定、ブラック)に基づく関税減免にかかる告示PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出した。同告示によると、1月1日から2025年12月31日までに輸入される希望小売価格(SRP)200万バーツ(約820万円、1バーツ=約4.1円)以下の完成車(CBU)のバッテリー式EV(BEV)は、自由貿易協定(FTA)の利用に応じ、次のとおり、関税優遇措置を享受することができる。

  • 各種FTAに基づき40%以下の関税率で輸入する場合〔例:日本タイ経済連携協定(JTEPA)、ASEAN韓国FTA(AKFTA)など〕、輸入関税は免除となる。
  • 各種FTAに基づき40%を超える関税率で輸入する場合、FTA利用時の輸入関税率をさらに40%引き下げる。
  • FTAを利用せずに輸入する場合、輸入関税率を40%とする。

こうした恩典を利用する場合、輸入者は物品税局からEV3.5の枠組みに基づく適格性証明書を取得し、タイ税関に提示の上、同局の定める基準・条件を順守する必要がある。同告示に基づく税関での具体的な関税免除の手続きや規則については、税関が12月28日付で発出した税関告示第177/2566号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで定めている。

前回の2022年4月22日付財務省告示(2022年5月13日記事参照)は2023年12月31日をもって失効したが、旧告示では恩典の対象となっていた希望小売価格(SRP)200万バーツ超700万バーツ以下のCBUのBEV(バッテリー容量30キロワット時以上)については、2024年からは対象外となっている点に留意が必要だ。

なお、財務省は12月27日付財務省規則第37/2566号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2023年末で失効する予定だったエコカーの軽減物品税率についても、2025年12月31日まで延長した。10席以下で排気量1300㏄以下のガソリンエンジン、または1400㏄以下のディーゼルエンジンを搭載したエコカーで、物品税局長が定める基準・条件〔燃費、二酸化炭素(CO2)排出量、排気ガス基準、自動車安全基準など〕を満たす場合、物品税率は14%が適用される(通常は25%)。

財務省の説明によると、今回のエコカー減税の2年間の延長措置の狙いは、タイの自動車メーカーに引き続き、タイをエコカーの生産拠点として活用してもらうと同時に、EV生産への転換に向けてxEV技術(BEV、ハイブリッドなど)を開発する時間を設けるためとしている。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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