オンライン ブラック ジャック、産業の高度化図る

(中国)

北京発

2024年01月09日

中国の国家発展改革委員会は12月27日、「産業構造調整指導目録(2024年版)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。目録は、政府が産業構造の調整を進め、発展を奨励する分野、投資を制限・淘汰(とうた)する分野を定めたもので、各種政策の根拠となっている(注1)。目録の制限類と淘汰類は、内・外資企業に適用する「市場参入ネガティブリスト」にも反映されており、外資系企業にも影響を与える(注2)。2024年版目録は2月1日から施行され、現行規定の2019年版目録(産業構造調整指導目録の改定案公表、ブラック)は同時に廃止となる。

国家発展改革委員会の責任者によると、2024年版目録は全1,005項目あり、そのうち奨励類が352項目、制限類が231項目、淘汰類が422項目となった。産業の最適化や高度化に資するとして、奨励類には「インテリジェント製造」「農業機械設備」「CNC(コンピュータ数値制御)工作機械」「サイバーセキュリティー」を追加した(注3)。制限類と淘汰類には、グリーン発展や安全生産の要件にそぐわないとして、「消防」「建築」を追加した。

2024年版目録では、政策方針として、第1に製造業のハイエンド化、スマート化、グリーン化を推進するとしている。第2に優位性のある産業の主導的地位を確かなものとし、伝統的産業の転換と高度化を加速させ、先進的な生産能力の比率を高めるとしている。第3には、安全保障の発展に関連する分野の弱点の補強を加速させるとしている。これは、科学技術のハイレベルな自立自強の実現を加速させ、国家戦略上の必要性に基づいてコア技術の確立を目指すものとしている。最後に第4として、高品質で効率的なサービス業の新しい体系を構築するとしている。

また、2024年版目録では、中央政府関連部門に協力して財政・税制・輸出入などの関連政策の策定・改定を進め、産業の再編を促進する政策体系をさらに構築していくよう要請した。さらに、各省・自治区・直轄市政府に対しては、各地域の産業発展の実態を踏まえて、投資を合理的に誘導する具体的措置を策定するよう求めたほか、先進的な生産能力は発展を奨励・支援する一方、前時代的な生産能力については法令に基づいて制限・淘汰し、やみくもな投資や低水準の投資を防止することで、産業構造の最適化を効率的に進めるべきとした。

(注1)目録に記載がなく、関連する法令法規に合致する分野は許可類と位置付けられている。

(注2)2021年版市場参入ネガティブリストには、目録の淘汰類項目については投資を禁止し、制限類項目は企業の新規設立を禁止すると記載している。同ネガティブリストの日本語仮訳はジェトロウェブサイトPDFファイル(346KB)で参照できる。

(注3)追加された奨励類については次のとおり。

  • 「インテリジェント製造」には、ロボット、システムインテグレーション、スマート検測装置、センサー、3Dプリンタとその特殊材料、スマート物流、工業制御装置などが含まれる。
  • 「農業機械設備」には、トラクター、その関連主要部品、高効率収穫機、農地管理機械、節水型灌漑設備などが含まれる。
  • 「CNC(コンピュータ数値制御)工作機械」には、ハイエンドCNCを基準として、金属切削工作機械、金属成形工作機械、特殊加工装置、これらに用いられるデバイスと産業用ソフトウエア、主要コンポーネント、アクセサリー、測定ツールなどが含まれる。
  • 「サイバーセキュリティー」には、サイバーセキュリティー関連製品(端末や設備、アプリケーション管理など)、同関連サービス(コンサルティング、設計・開発、運用など)、テストツール、同関連製品・技術の研究開発、産業応用などが含まれる。

(亀山達也)

(中国)

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