インドのケワルラム・チャンライ・グループがカシューナッツ加工に投資
(コートジボワール、インド)
アビジャン発
2024年01月22日
世界最大のカシューナッツ生産国であるコートジボワールで1月8日、インド複合企業ケワルラム・チャンライ・グループの現地子会社アフコット・カシューが設立したカシューナッツ加工工場の落成式が行われた。首都ヤムスクロ郊外に立地する20ヘクタールの敷地に2,000万ドルを投じて新設された加工工場の生産能力は、稼働開始当初は年間2万トンで、2027年までに5万トンに引き上げる計画だ。
落成式に参列したコベナン・クアシ・アジュマニ農業・農村開発・食糧生産相は、政府が目指す農産品の加工率向上と、多くの雇用創出に寄与すると称賛した。アフコット・カシューによると、工場は1,250人を雇用し、そのうち8割が女性だ。また、カシューナッツの栽培もおこない、2024年に生産量4,000トンからスタートし、2027年には1万1,000トンを目指すとしている。
コートジボワールは世界最大の未加工のカシューナッツ生産・輸出国だが、2022年の国内での加工は、生産量の21.8%に当たる22万4,036トンにとどまり、ベトナム、インドに次ぐ水準となっている。政府は、2030年までに農産物生産量の5割を加工するという目標を掲げており、新たな加工工場の完成によりこの目標達成への貢献とアグロ・インダストリー部門における付加価値向上が期待される。
国内のカシューナッツ加工事業者は、大手のオラム(シンガポール)、アイボリー・カシューナッツ、SITA、ロイヤル・ナッツ(シンガポール)などで、アフコット・カシューの新工場の完成により全国に30カ所の加工生産拠点を持つことになり、国内のカシューナッツ加工能力は約35万トンに達する。
カシューナッツの年間生産量は、2011年の40万トンから2022年には128万172トンと、この10年間で3倍以上に増加しており、カシュ―ナッツ産業は現在、コートジボワールのGDPの9%を占めている。
(野澤俊明、渡辺久美子)
(コートジボワール、インド)
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