国政選挙でセルビア進歩党が政権維持
(セルビア)
ブダペスト発
2023年12月25日
12月17日に行われたセルビアの議会早期解散選挙の暫定結果が19日に発表された。開票率は96.68%。アレクサンダル・ブチッチ大統領率いる中道右派・与党のセルビア進歩党(SNS)が大勝した。SNSは「セルビアは立ち止まってはいけない」をスローガンに、2012年から政権を維持してきた。ブチッチ大統領は2023年5月に同党の党首を辞任したものの、いまだに同党の顔としてその人気は衰えていない。今回は国政選挙に加え、ボイボディナ州の州選挙や首都ベオグラード市を含む65の地方自治体選挙も行われた。
今回の選挙では約60%の有権者が投票し、SNSは暫定結果で約46.7%の得票率で129議席を獲得、議会過半数の126議席を上回っている。野党連合「暴力に反対するセルビア」は約23.6%の得票率で64議席を獲得する見込み。一方で、SNSの連立パートナーのセルビア社会党は大幅に支持を下げた。同党は前回選挙で12%の得票率を獲得したが、今回は約6.6%にとどまっている。また、セルビア新民主党に連携する政党からなるNADA連合は5%の得票率で13議席を獲得見込み。新型コロナウイルス感染拡大の際に、ワクチンや感染防止策への持論で注目を集めた小児科医のブラニミール・ネストロビッチ氏率いる政党「人々の声(Mi)」も4.7%の得票率を獲得した。獲得議席数はいずれもBBC(12月17日)の報道に基づく。
欧州議会の議員で、セルビアとの関係について欧州議会への報告者を務めるウラジミール・ビルチク氏は「選挙は全体的にスムーズに行われた」「今回の選挙の結果によって、民意をより反映し、多元的な議会がセルビアに設立されることを期待している」と述べた(「インサイデル」10月19日)。
投票結果が確定できなかった、あるいは無効とされた複数の投票所で12月30日に再度投票を行った後、最終結果が確定される予定。
(ドラガン・ミレンコビッチ、バラジ・ラウラ)
(セルビア)
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