米USTR、日系自動車部品工場での労働権侵害の疑いでメキシコ政府に確認要請
(米国、日本、メキシコ)
ニューヨーク発
2023年12月18日
米国通商代表部(USTR)は12月14日、メキシコのコアウイラ州ピエドラスネグラスに所在するフジクラ・オートモーティブ・メキシコの工場で労働権侵害の疑いがあったとして、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が定める「事業所特定の迅速な労働問題対応メカニズム(RRM)」に基づき、メキシコ政府に事実確認を要請したと発表した。
RRMは、事業所単位で労働権侵害の有無を判定する手続きで、違反が認められれば、USMCAによる特恵措置の停止といった罰則が適用される。RRMの手続きは、USMCA加盟国政府が独自に発動できるが、労働組合などの第三者機関が加盟国政府に労働権侵害を申し立てることも可能だ。今回は、メキシコの労働組合である労働者国境委員会(Comite Fronterizo de Obreros)が申し立てた。フジクラ・オートモーティブ・メキシコが、労働者の採用にあたり、応募者が以前に勤務していたマニュファクチュラスVUで組合活動をしていた場合、採用を拒否している、とする内容になっている。自動車用内装部品メーカーのマニュファクチュラスVUは、フジクラ・オートモーティブ・メキシコと同じくコアウイラ州に工場を有していた。だが、VUの工場で労働権侵害の疑いがあったとして1月にRRMに基づき調査を受け(米USTR、ブラック ジャック)、3月には改善策が合意されたものの(米国とメキシコ、オンライン)、その後、工場が閉鎖されていた。工場閉鎖を受け、キャサリン・タイUSTR代表は「VUの元従業員の権利が尊重され、未払いの賃金が支払われ、VUまたはそれを引き継ぐ企業がUSMCA違反を行わないよう、引き続き監視を続けていく」と述べていた(関連ブラック ジャック 必勝 法)。
事実確認の要請を受けたメキシコ政府はUSMCAに基づき、調査を行うか否かを10日以内に返答しなければならず、調査を行う場合には45日以内に完了する必要がある。また、今回のUSTRによる確認要請をもって、米国は当該工場からの製品輸入について、両国間で労働権侵害の解消に合意するまで、最終的な税関での精算を留保できる。実際、タイUSTR代表は財務長官に対し、当該工場からの製品輸入にこの措置を適用するよう指示した。
米国は特に2023年に入ってからRRM手続きを多数発動しており、今回で13件目、また、USMCA発効からは合計で18件目の発動となる(添付資料参照)。
(赤平大寿)
(米国、日本、メキシコ)
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