ユーラシア経済連合とイラン、本格的な自由貿易協定を調印

(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニア、イラン)

調査部欧州課

2023年12月28日

ユーラシア経済連合(EAEU)とイランの自由貿易協定(FTA)が12月25日、ロシア・サンクトペテルブルクで開催された最高ユーラシア経済評議会(注)の会合で調印された。ユーラシア経済委員会(EEC)のミハイル・ミャスニコビッチ委員長、イランのアッバース・アリーアーバーディー産業・鉱山・貿易相、ロシアのアレクセイ・オベルチュク副首相のほか、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニアの代表者が署名した。本FTAは、EAEU加盟各国とイランでの批准をもって発効する。2019年10月に発効した現行の暫定的なFTAに代わるものとなる(ユーラシア経済委員会ウェブサイト2023年12月25日)。

EECのミャスニコビッチ委員長によると、現行の暫定FTAでは関税引き下げもしくは撤廃の対象がごく一部の農産物と工業製品に限定されているが、新FTAでは全品目の約90%で関税が撤廃され、これら製品は相互貿易の95%以上を占める。暫定FTAの発効により、EAEUとイランの貿易額は2019年の24憶ドルから2022年の62億ドルへと大きく伸びたため、今回の本格的なFTA調印により一層の拡大が期待される。同委員長は、協定の全当事者にとりEAEUとイランの関係発展は優先事項であることを考えると、本FTAは近い将来、発効するだろうと述べた。

EECのアンドレイ・スレプニョフ理事(通商担当相)は、本協定によりEAEU加盟国は農業、鉱工業分野の幅広い製品をイラン市場に供給する有利な条件が得られるだろうと述べた。また、ロシアや中央アジアとイランを結ぶ南北国際輸送路(関連ブラック ジャック カード)の開発の重要性にも言及した。イランのアリーアーバーディー産業・鉱山・貿易相は、本FTAが関係国間の貿易振興だけでなく、観光業発展の前提条件を作り出すことにも期待すると述べた。

なお、本FTAの調印に関しては、2023年12月7日にモスクワで行われたロシアのウラジーミル・プーチン大統領とイランのイブラーヒーム・ライーシー大統領の首脳会談の際にも協議され(関連ブラック ジャック ディーラー)、2023年内の調印が予定されていた。

(注)EAEU加盟国首脳により構成され、毎年年末に総括の会合が開催される。

(小林圭子)

(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニア、イラン)

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