英政府、2027年までにCBAM導入、2024年中に意見公募

(英国)

ロンドン発

2023年12月20日

英国政府は12月18日、新たな炭素国境調整メカニズム(CBAM)を2027年までに導入することを発表。2023年3月30日から6月22日まで実施されていた意見公募に対する回答文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で発表した(概要はファクトシートも参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

対象となる産業はアルミニウム、セメント、セラミック、肥料、ガラス、水素、鉄鋼。スコープ1(自社による直接排出)、スコープ2(他社から供給された電気、熱・上記の使用に伴う間接排出)のほか、輸入品に内包される(embodied)排出量について適用する予定。

課徴金の金額は輸入品の生産過程での排出量と、原産国と英国の炭素価格の差額に基づいて決定される。英国の炭素価格については、無償割り当てや他の支援策なども考慮した実効価格が適用される予定で、現在の英国の排出量取引制度(UK-ETS)での価格よりも低いものになるとしている。

具体的な対象製品を含めた制度設計や実施に関しては、2024年中により詳細な意見公募を実施する予定としている。

政府は回答文書の中で今後の検討事項として、排出量の報告枠組みや、特に開発途上国との貿易に与える影響、WTOルールとの整合性確保などを挙げた。

このほか、英国政府はUK-ETSに関する2つの意見公募も開始外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。市場で流通する排出枠の総量に基づいてオークションを行う排出枠の量を調整する新たなメカニズムを検討するほか、無償割り当て制度の見直しも実施する。併せて、UK-ETSを2050年まで延長することも発表した。

(山田恭之)

(英国)

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