若年層の投票離れ予想の中、トランプ氏優位続く、2024年米大統領選世論調査
(米国)
調査部米州課
2023年12月06日
米国の2024年大統領選挙に関する世論調査では、12月に入っても、ドナルド・トランプ前大統領がジョー・バイデン大統領に対して優位な状況が続いている(複数の激戦州でトランプ氏優勢、ブラック)。
ネットニュース企業のメッセンジャーと調査会社ハリスXは12月5日、2024年大統領選挙などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、トランプ氏とバイデン氏を候補者として、2024年大統領選挙が今日実施された場合、誰に投票するかという問いで、トランプ氏との回答が47%とバイデン氏の40%を上回った。
また、経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが11月に実施した世論調査(注2)では、トランプ氏、バイデン氏の大統領としての仕事ぶりをどう評価するかとの問いで、「素晴らしい」と「良い」と回答した割合の合計は、トランプ氏47%、バイデン氏34%と、トランプ氏が上回った。
若年層の投票離れが若年層の支持を集めているバイデン氏に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。ハーバード大学ハーバード・ケネディ・スクールの政治研究所が若年層を対象に10~11月に実施した世論調査(注3)では、「2024年の大統領選挙で必ず投票する」との回答が49%と、2020年大統領選挙での調査時(57%)から大幅に低下した。(「ワシントン・ポスト」紙電子版12月5日)。
バイデン氏の支持率は40%台で低迷しているが(注4)、バイデン氏の周囲は自身の支持率回復よりもトランプ氏の支持率を押し下げることに重点を置いているという。バイデン氏はトランプ氏が2024年大統領選挙で当選すれば、オバマ政権が推進した医療保険制度改革法が骨抜きにされ、全米で人工妊娠中絶禁止が法制定され得ることを強調している(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版12月5日)。
先述のハーバード大学世論調査で、米国が抱える諸問題に対し、バイデン氏とトランプ氏のどちらがより信頼できるかという問いでは、どちらも信頼できないとする割合が高かったのは、「イスラエル・ハマス紛争」(44%)、「気候変動」(41%)、「銃暴力」(39%)、「ウクライナ問題」(38%)、「ヘルスケア」「犯罪と治安」(ともに37%)などだった。
(注1)実施時期は11月27日~12月1日、対象者は全米の登録有権者2,018人。
(注2)実施時期は11月25~27日、対象者は全米の成人1,500人。
(注3)実施時期は10月23日~11月6日、対象者は全米の18~29歳の成人2,098人。
(注4)政治ハイパーブラックジャックサイト・リアルクリアポリティクスの12月5日時点のバイデン大統領支持率の平均値は40.1%。
(松岡智恵子)
(米国)
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