グジャラート州政府、金融特区GIFTシティー域内での禁酒政策を緩和
(インド)
アーメダバード発
2023年12月26日
インド西部のグジャラート(GJ)州政府は12月22日、国際金融特区のGIFTシティーでの禁酒政策を緩和すると発表した。インド初の国際金融経済特区として開発が進むスマートシティーで国際金融のエコシステムを構築するためには、広く国内外のグローバル企業や投資家、金融専門家などが集う都市として、特区内での酒類の販売・消費に関する規制の緩和が必要という声があり、州政府内で検討を重ねてきた。
今回のGJ州政府の通達によると、GIFTシティー内で働く全ての企業オーナーと従業員は酒類アクセス許可証を取得できるようになる。この許可証があれば、GIFTシティー内のホテルやレストラン、ナイトクラブで酒類を伴った飲食を楽しむことができる。また、これら企業が許可した外部からの訪問者は、その企業の正社員の立ち会いの下で一時的な許可証に基づいて飲酒できる。
一方、GIFTシティーを拠点とするホテル、レストラン、ナイトクラブはアルコール飲料を含む飲食施設として「FL-3ライセンス」の取得により酒類提供が可能になるが、ボトルとして販売することはできない。これら酒類の提供プロセス全体で、GJ州政府の規制・物品税局は、GIFTシティー域内のFL-3ライセンスを取得したホテル、レストラン、ナイトクラブによる酒類の輸入、保管、ケータリングを監視・規制に当たるとしている。
インド独立の精神的指導者だったマハトマ・ガンディーは、酒店は「社会に課せられた耐え難い呪い」と考えていたと言われる。ガンディーの出身地のGJ州は州創設以来の禁酒政策を取ってきた。一方で、近年のGJ州政府は外国投資誘致を目的に、州内に設置した経済特区での特別措置や観光振興政策の一環として、ホテル内に外国人や他州からの旅行客が酒類を購入できるリカーショップの開設を認める許可証を発給するなど、緩和政策を進めてきた(12月22日「ヒンドゥー」)。
インド・アルコール飲料企業連盟(CIABC)のビノド・ギリ理事長は「今回の措置は、GIFTシティーが近代的で自由な場所であり、国際ビジネスを行う場所として準備が整ったというメッセージを世界に発信するものだ。ビジネス機会や雇用創出、酒類産業の振興、州政府の税収にも貢献し、州経済をさらに活性化させるだろう」と好意的に受け止めている(12月23日「エコノミック・タイムズ」)。
(古川毅彦)
(インド)
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