英政府、移民流入抑制に向けた計画発表、一部ビザの発給要件厳格化へ

(英国)

ロンドン発

2023年12月08日

英国政府は12月4日、移民流入の抑制に向けた計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。一部ビザの発給要件の厳格化を中心に、2024年春から適用予定としている。

主な計画は次のとおり。

  • 技能労働者ビザ(Skilled Worker visa)の最低給与額を年間2万6,200ポンド(約482万800円、1ポンド=約184円)から3万8,700ポンドへ引き上げ。ただし、報道によると、医療・介護従事者、教師など国家的な給与体系にある人々は対象外(「BBC」12月6日)。
  • 不足職業リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載している職種について、ビザ発行に当たっての職業別の最低給与額を20%引き下げる制度を終了。不足職業リストも移民給与リスト(Immigration Salary List)に置き換える。
  • 移民医療付加金(Immigration Health Charge)を年間624ポンドから1,035ポンドに引き上げ。
  • 医療・介護労働者ビザで滞在している外国人労働者の扶養家族の英国への帯同禁止。
  • 英国人または英国永住者の家族ビザの最低年間所得を1万8,600ポンドから3万8,700ポンドに引き上げ。
  • 英国高等教育機関卒業生ビザ(Graduate visa)ルートの見直し。

2022年の純移民数は過去最高の推定74万5,000人を記録。これは2011年7月~2019年6月までの8年間の年平均22万人を大きく上回っている。

英国政府は、今回の計画が導入されていた場合、2022年の純移民数は30万人少なかったと推定している。

政府は純移民数削減に向け、これまでにも留学生の扶養家族のビザ厳格化(英政府、ブラック ジャック アプリ)などを発表していた。

英国政府は復職支援計画を通じた国内の労働力増加を優先事項と位置付けており、それによって今回の施策が可能となったとしている(2023年11月24日記事参照)。

2021年1月から2023年9月合計の職種別のビザ発給数をみると、上から順にケアワーカー(Care workers and home carers)、ナース(Nurses)、園芸取引(Horticultural trades)、シニアケアワーカー(Senior care workers)となっている。政府によると、2023年9月末までの1年間で、約10万件の医療・介護ビザが介護労働者と上級介護労働者に発給され、その扶養家族には推定12万件のビザが発給されている。

(松丸晴香)

(英国)

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