米NIST、AI開発のガイドライン策定などに向け意見公募、大統領令に対応

(米国)

ニューヨーク発

2023年12月22日

米国商務省の国立標準技術研究所(NIST)は12月19日、ジョー・バイデン大統領が10月に発令した大統領令(バイデン米政権、ブラック ジャック)に基づいて、人工知能(AI)の開発などに関するガイドラインを策定するため、利害関係者から意見を募集すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。意見公募の詳細については、12月21日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示した。コメントは2024年2月2日まで受け付ける。

商務省は大統領令で、安全なAIシステムの開発や、AIシステムの欠陥や脆弱(ぜいじゃく)性を見つけるためのテスト(red-teaming)に関する産業界向けガイドラインを策定するよう求められている。また、AIを使用して生成された画像や文章などがもたらすリスクを減らすための基準やツールの特定のほか、国務省などとのAIに関する標準の開発や国際協調のための計画作りも指示されている。NISTは今回、これらの実施に向け意見を募集する。具体的には、例えば、NISTが2023年1月に発表した「AIリスク管理フレームワーク」()の生成AIに関する付属資料を作るため、生成AIのリスクなどのブラック クイーン ブラック ジャックを求めている。

大統領令はNISTに対し、プライバシー保護に関わる省庁向けガイドラインの策定なども指示した。NISTは今回の意見公募で触れなかった項目については、別の機会に扱う予定だ。

大統領令に基づくAIの安全性に関する取り組みは、各政府機関で徐々に進んでいる。大統領令発表直後の11月1日には、ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)が、米国政府によるAI利用に関するガイダンスの草案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(ハリス米副大統領、ブラック ジャック)。サイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)は11月14日、大統領令の取り組みなどを進めるためのロードマップを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、政治専門紙「ザ・ヒル」電子版(12月12日)によると、連邦政府のAI政策を調整するために大統領令により設置された「ホワイトハウスAI協議会」は12月12日、初会合を開催した。閣僚らが出席し、政府の人材採用やAIに関連するリスクの予防策などを議論したという。

(注)連邦政府ポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ドケット番号:NIST-2023-0309)、Eメール(ai-inquiries@nist.gov宛)、または郵送で提出が可能。

(甲斐野裕之)

(米国)

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