米連邦議会下院、ニューヨーク州激戦区選出のジョージ・サントス議員を除名

(米国)

ニューヨーク発

2023年12月07日

米国連邦議会下院は12月1日、詐欺や虚言を行っていたニューヨーク(NY)州選出のジョージ・サントス議員(共和党)を除名処分とする決議案を賛成311票、反対114票で可決した。

サントス氏は2022年11月8日の連邦議会下院の中間選挙で、NY州第3区から選出された。その後、「ニューヨーク・タイムズ」紙は翌12月19日、サントス氏に対する素性調査の結果を発表。学歴や職歴など過去を偽っていると報道し、サントス氏は虚言を認めた。

同氏はまた、送金詐欺やクレジットカード詐欺などの罪で2023年5月10日、司法省から起訴されているが、無罪を主張。裁判は2024年9月に予定されている(「ワシントン・ポスト」紙電子版12月1日)。また、下院倫理委員会は11月9日、サントス氏が選挙資金を私用目的で支出していたことを証明する報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表している。その中には、高級ブランド店で4,000ドル以上の買い物をしたことも含まれている。

こうした中、ロバート・ガルシア下院議員(民主党、カリフォルニア州)とダン・ゴールドマン下院議員(民主党、ニューヨーク州)が11月28日、サントス氏の除名決議案を特権決議として提案し、12月1日の投票の結果、除名処分となった。サントス氏が選出されたNY州第3区は2022年11月8日の中間選挙で、共和党に奪取された民主党区4区のうちの1つで、激戦区だ()。

キャシー・ホークルNY州知事(民主党)は12月5日、サントス氏の除名処分に伴う空席を埋める特別選挙を2024年2月13日に実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同選挙で民主党候補が勝利した場合、下院は共和党221人、民主党214人となり、両党の議席差は7に縮まることになる。2024年11月には大統領選挙と合わせて連邦議会の選挙も行われる。その前哨戦として特別選挙の結果が注目される。

(吉田奈津絵)

(米国)

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