国連総会、ガザでの即時の人道的停戦を求める決議案採択
(イスラエル、パレスチナ、オーストリア、米国、世界)
テルアビブ発
2023年12月15日
国連総会は12月12日、イスラエルとハマスの軍事衝突と、パレスチナ自治区ガザ地区の危機に関する緊急特別会合を開催した。
エジプトが提出した決議案では、ガザ地区での即時の人道的停戦や、民間人の保護に関する国際法上の義務の順守、全ての人質の即時かつ無条件の解放などを求めた。
採決の結果、186カ国中153カ国が賛成し、採択に必要な3分の2以上の賛成票を得て採択された。反対は米国、イスラエル、オーストリア、チェコ、グアテマラ、リベリア、ミクロネシア、ナウル、パプアニューギニア、パラグアイの10カ国、棄権は英国、ドイツ、ウルグアイなどの23カ国だった。
全ての国連加盟国は安全保障理事会の決定を受諾し、実施することに同意しているが、国連総会決議に法的拘束力はない。
決議案の採決に先立ち、イスラエルのギラッド・エルダン国連大使は「この決議は、ハマスの人道に対する罪を非難していないだけではなく、ハマスについて全く触れていない。これでは地域の殺りくと破壊を長引かせるだけで、それこそが停戦の意味するところだ」と述べ、全ての加盟国に対して決議案に反対票を投じるよう求めた。
また、オーストリアと米国からそれぞれ修正案が提出され、オーストリアは「ハマスとその他のグループ」が人質を拘束していることを明記するよう求めたが、賛成89票、反対61票、棄権20票で3分の2以上の賛成票を得られず否決された。米国は軍事衝突の発端となったハマスのテロ行為を非難する文言の挿入を求めたが、こちらも賛成84票、反対62票、棄権25票で否決された。
「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(12月13日)によると、パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連常駐オブザーバーは今回の決議について、「国連総会から発せられた力強いメッセージという点で歴史的な日」になったと述べた。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、オーストリア、米国、世界)
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