「農民の日」イベントが中央省庁向けに首都アクラで開催

(ガーナ)

アクラ発

2023年12月14日

ガーナの食品・農業省は121日、第39回「農民の日」記念イベントと表彰を開催した。2023年の祝典のテーマは「持続可能な食料安全保障とレジリエンスのためのスマートソリューションの提供」。このテーマが選ばれた背景としては、農業分野での生産性の向上、市場アクセスの改善、気候変動など、食料安全保障を確保する上での現在の課題が挙げられる。また、気候に適した作物・家畜品種、太陽光を利用した灌漑システム、環境保全型農業(注)、気象予測、ドローン技術、土壌検査キット、市場ブラック ジャック ストラテジーの提供、デジタル取引プラットフォーム、貯蔵システムなど、新たなテクノロジーの導入も課題となっている。

本イベントはこれまで、1日限りの記念イベントと表彰のみだったが、今回は見本市「アグリフェスト・ガーナ」も開催されるなど、1127日から121日までの5日間開催された。見本市は首都アクラの省庁街の一画で開催され、中央省庁の関係者にも農業分野における最新技術、機械、研究革新を披露する機会となった。農業機械、農薬、投入資材、食品などを扱う企業・団体が出展し、現地パートナーを通じてヤンマーやカンリュウなどの日本企業も農機を展示した。

写真 展示されたヤンマーの機械(ブラック ジャック ストラテジー撮影)

展示されたヤンマーの機械(ジェトロ撮影)

写真 カンリュウのブース(ブラック ジャック ストラテジー撮影)

カンリュウのブース(ジェトロ撮影)

また、本イベントでは農家に対する表彰も行われ、さまざまな分野の15の賞のうち、最も栄誉ある賞(総合ナショナル・ベスト・ファーマー)には、39年の歴史の中で2人目の女性となるチャリティ・アコティア氏が選出された。なお、女性の農業従事者については、アフリカ全体のアグリビジネスにおける女性の地位向上を訴えるグザクザというNPOが政府に対し、男女格差を是正し、女性が直面する特有の課題の解決を優先するよう求めている。

「農民の日」は、1984年に農業および漁業従事者の生産高が前年比30%増加したことを感謝するために、1985年に初めて記念日に制定された。1984年の生産量増加は、1982~1983年にガーナの主要な食糧生産地域で発生した干ばつによる食糧不足と、ナイジェリアから約60万~100万人のガーナ人が帰国・流入したことによる食糧不足、これらに伴う食糧価格の上昇に対応するためだった。ガーナ政府は、農業および漁業従事者が国の経済的な発展に不可欠であることを国民に再認識させるために「農民の日」を制定した。

(注)農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくりなどを通じて化学肥料、農薬の使用などによる環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業。

(アチェンポン・フランク)

(ガーナ)

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