ルノーが新SUV生産へ約600億円の投資発表、中南米ブラック ジャック ブラック クイーンにも輸出へ
(ブラジル、フランス)
調査部米州課
2023年12月08日
フランス自動車大手のルノー(Renault)は12月4日、ブラジル南部パラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャイス市に位置する同社工場で、新たなスポーツ用多目的車(SUV)の生産に向け、20億レアル(約600億円、1レアル=約30円)を投資すると発表した。新たに生産するSUVは車体全長が4,350~4,500ミリメートル程度のCセグメントに分類され、10月25日にブラジルで世界初公開された新型サブコンパクトSUV「カルディアン(Kardian)」で使用するルノーグループの新モジュールプラットフォームが搭載される。車種名、発売日はともに未公表。同工場で生産し、中南米ブラック ジャック ブラック クイーンに輸出する。搭載されるエンジンは、同社のエンジン部門ホース(Horse)が生産したエンジンと公表しているが、現地ではエタノール燃料が使用可能なフレックスエンジンが採用される可能性も報道されている。
ルノーグループは10月25日に、世界的なルノーブランドの再生に向け、2027年までに30億ユーロを投資し、欧州域外で新たに8モデルを投入することを発表しており、その第1弾としてKardianを公開していた。ルノーのブラジル現法法人のリカルド・ゴンド社長は、今回の投資で同工場への投資が2021年以降で51億レアルに上ったことに言及し、「ブラジル市場を信用しており、当社のブラジルへのコミットメントを明確に示している」と強調した。
自動車産業向けに税制恩典付与するプログラムの開始示唆
ルノーの新SUV投資発表会に参加したジェラルド・アルキミン副大統領兼開発商工サービス相は「数日中に社会統合基金(PIS)、社会保険融資負担金(CONFINS)、工業製品税(IPI)の減税を伴う30億レアル以上のインセンティブに相当するプログラムを開始する予定だ」と述べ、自動車産業のイノベーションと持続可能性を強化するため、税制恩典を付与するプログラム「Mover」の開始について触れている。
(小西健友)
(ブラジル、フランス)
ビジネス短信 7e8eae83a1a4639a