米財務省、クリーンエネルギー生成用部品の製造への税額控除に関するガイダンス案を発表

(米国)

ニューヨーク発

2023年12月18日

米国財務省は12月15日、インフレ削減法(IRA)に基づく先端製造業(歳入法45X外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます関連)に関するガイダンス案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。歳入法45Xは、太陽光発電コンポーネントや風力発電コンポーネント、インバーター、系統蓄電池、鉱物などをブラック ジャック 勝率として指定し、これらを国内製造・販売した場合に、その販売量に応じて税額控除が受けられるというもの。基本的な定義などについては内国歳入法で定められているものの、例えば国内製造など文言の定義、具体的な部品の解釈、IRAに基づく他の税額控除との関係など運用上必要となる細則が今回のガイダンス案で明らかにされた。主な内容は次のとおり。

(1)一般細則

クレジットの計算方法〔45X-1(b)〕のほか、「製造」の定義〔45X-1(c):コンポーネントへの実質的な変質が必要、小規模な組み立ては含まれない、委託製造の場合の扱いなど〕、「国内生産」の定義〔45X-1(d):エレメントや素材、サブコンポーネントなどは国内生産ルールの対象外であるとともに、リサイクル品も許容されるなど〕などの詳細が明らかにされた。

(2)IRAに基づく他の税額控除との関係

今回のガイダンスでは、国内歳入法48Cと呼ばれる投資額に対する税額控除を活用して設置された製造施設・設備と45Xとの関係が明確化された。ガイダンスでは、国内歳入法48Cを活用した施設で製造された製品は45Xの税額控除の対象外であることが明記され、税額控除の重複排除が明確となった。

(3)控除の対象となる販売先(unrelated person)

国内歳入法45Xは販売量に応じた税額控除であることから、不正防止の観点から税額控除の対象となる者はunrelated personとされ、販売先が同一雇用主である場合にはunrelated personとは見なされないこととされている。しかし、今回のガイダンスでは特例が設けられ、例えばXがブラック ジャック 勝率をrelated personであるYに販売し、Yが別の完全なかたちのブラック ジャック 勝率に統合し、最終的にunrelated personに販売した場合には、Xの販売もunrelated personへの販売として見なされるといった案が示されている。また、同時にブラック ジャック 勝率が不適切(税額控除を受けるために、使用されずに廃棄されるものを生産するなど)に使用されないようにするための規定や、欠陥品だった場合の扱いを定めた規定なども盛り込まれている〔45X-2(d)(4)〕。

(4)対象となる製造物について

太陽光発電45X-3(b)、風力発電45X-3(c)、インバーター45X-3(d)、蓄電池45X-3(e)、鉱物45X-3(f)それぞれについて対象となる製造物の細目や税額控除に当たって事業者が作成するべき文書などに関する規定が盛り込まれている。

  • 太陽光では、ブラック ジャック 勝率として、太陽光モジュール、薄膜太陽電池、太陽光発電ウエハ、結晶シリコン、トルクチューブ、構造ネジ、ポリマーバックシートを列挙するとともに、具体的にどのような使われ方をするものが対象となるのか説明している。また、製造者に対して、販売明細書などで、どのように使用するものなのかという点や、それぞれの部品がその使用要件を満たしていることなどを明示的に説明することを要求している。
  • 風力発電では、適格コンポーネントとして、ブレード、ナセル、タワー、洋上風力基礎、関連する洋上風力発電船舶を列挙している。特に関連する洋上風力発電船舶に関しては、新造・改修の場合に分けて具体的な規定案が盛り込まれている〔45X-3(c)(4)〕。また、太陽光発電とは異なり、風力発電に関しては、完成した風力タービンの出力に応じて税額控除が算定される仕組みとなっていることから、製造者に対してコンポーネントの設計や完成したタービン容量などのブラック ジャック 勝率を文書化することを求めている〔45X-3(c)(7)〕。

今回示された規定案については、2024年2月13日までパブリックコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを受け付けているほか、2024年2月22日に公聴会が開催される予定だ。

なお、今回の規定案に関して、アメリカン・クリーンパワー協会は声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、「クリーンエネルギー部品の国内製造の新設・拡大を直接支援する税額控除に関するこの重要なガイダンスの発行に尽力した政府の取り組みを称賛する。過去16カ月だけで米国のクリーンエネルギーに関する製造施設の新設・拡大案件は112施設が発表されている。これらの施設は4万1,000人以上の新たな雇用を生み出すことになる。今日のガイダンスは、発表された設備の実現に取り組む製造事業者にとって重要な次のステップだ」として、取り組みが進むことに期待感を示した。

(加藤翔一)

(米国)

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