日本の農水産品商談会、ムンバイで開催
(インド、日本)
ムンバイ発
2023年12月18日
インド西部のムンバイで12月10~11日、水産品をメインとした日本食材商談会が開催された。現地輸入業者サンチタ・マリン・プロダクツと卸売業者アルコム・エキシムが共催し、現地のホテルやレストランの料理長、購買担当者などへ試食品が振る舞われた。
出展したのは、大成(千葉県銚子市)、山下水産(福井県越前町)、福井中央魚市(福井市)、播磨灘(兵庫県姫路市)、森松水産冷凍(愛媛県今治市)、赤坂水産(愛媛県西予市)、浜吉ヤ(高知県土佐市)、九州マグロ(福岡県北九州市小倉北区)、西村番茶屋本店(京都府宇治市)の9社。植物性のサステナブルな飼料で養殖したマダイや、食品添加物を使わないカツオジャーキーといった水産品・水産加工品のほか、抹茶本来の風味を味わえる冷凍抹茶など、高品質で本物志向の日本食品をアピールした。ほとんどの企業がインドへの輸出経験はないが、今回の商談会で販路を開拓し、まずは混載コンテナでの輸出を目指す。
会場では、各社からインド人バイヤー向けに刺し身やすし、焼き魚、抹茶などが振る舞われた。出展者の1人は「想像以上に反応が良く、初めて食べる日本産水産物のおいしさに目を丸くして驚いていた。インド市場の開拓に可能性を感じた」と述べた。各社は水産物の養殖現場や商品の製造現場を紹介する動画、英語の資料を用意し、おいしさだけでなく、商品のストーリーを伝える工夫にも力を入れていた。
インドはベジタリアン(菜食主義者)が多いことで知られるが、ムンバイをはじめとする沿岸地域では水産物を食べる文化が古くから根付き、シーフード料理店も多い。また、日本料理店では刺し身や海鮮丼なども提供されており、多様な食文化に関心のある一部の富裕層の間では、自分専用の箸をレストランにキープするなど、日本食、魚の生食文化も知られつつある状況だ。一方、日本産水産品の流通量は非常に少なく、質の高い品を提供する場所はごくわずかだ。世界最大の人口を誇るインド市場に向けて、まずは本物志向のホテル、レストランでの提供を切り口として、日本産水産品の評判が広まり、需要拡大につながることが期待される。
(丸山春花)
(インド、日本)
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