11月のインフレ率、4カ月連続の大幅減少

(ガーナ)

アクラ発

2023年12月21日

ガーナ統計局(GSS)は12月14日のプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、11月の消費者物価指数(CPI)上昇率が4カ月連続の減少となる前年同月比26.4%と発表した。10月の35.2%から大幅に低下し、2022年5月(27.6%)と同等程度の水準まで低下した。政府が2024年度予算PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で示した2023年度末のインフレ率目標の31.3%も下回った。

食品分野のインフレ率は前月44.8%から32.2%、非食品分野は27.7%から21.7%、地場産品のインフレ率は34.4%から26.1%、輸入品は37.0%から27.1%と、全体として減少した。地域別のCPI上昇率では、ウエスタン州が39.8%と最も高かった一方、首都アクラが属するグレーターアクラ州が最も低く、前年同月比61.6%から41.8ポイントの大幅減となる19.8%だった。

セクター別でCPI上昇率を牽引したのは、アルコール飲料・たばこなど(39.0%)、介護・保健サービスなど(35.4%)、食品・非アルコール飲料(32.2%)、家具・家庭用品(32.2%)、レストラン・宿泊施設(27.1%)だった。特に食品分野の中では、紅茶とその関連製品(78.8%)に次いで、ココア飲料(73.9%)、コーヒー・コーヒー代替品(39.3%)、果物・野菜ジュース(39.1%)と続き、9月の上昇率に比べて(2023年10月17日記事参照)全体的に上昇率は落ち着いてきたものの、セクターごとの上昇率は一部にこれまでと同様の傾向が見られる。

CPI上昇率低下の背景には、通貨ガーナ・セディの為替レートの安定や、財政赤字の縮小、中央銀行の金融引き締め政策、農業生産が比較的好調なことなどがあるとみられている。また、2023年9月に国内債務の再編プログラムが完了したが、国外債務は現在も交渉が継続中で、債務再編に向けたさらなるプロセスが進んでいる。

(数実奈々)

(ガーナ)

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