2024年のCOP29、アゼルバイジャンでの開催が正式決定

(アゼルバイジャン、アルメニア、ロシア、ブルガリア、アラブ首長国連邦、世界)

調査部欧州課

2023年12月15日

国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が11月30日~12月13日でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された。11日の全体会合で、2024年のCOP29がアゼルバイジャンで開催されることが正式決定した。開催時期は2024年11月11~22日の予定(アゼルバイジャン環境天然資源省ウェブサイト12月11日、2023年12月14日記事参照)。

COPは国連が分類する5つの地域グループの持ち回りで開催され、2024年は東欧グループの順番となっていた。複数の国が立候補し、アゼルバイジャン、アルメニア、ブルガリアの3カ国に絞り込まれたが、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノ・カラバフを巡る対立や、ロシアによるEU加盟国での開催反対により、2024年のホスト国についてグループ内のコンセンサスが長いこと得られなかった。ところが、12月7日にアゼルバイジャンとアルメニアがナゴルノ・カラバフの和平に向けた共同声明を発表、アルメニアは善意の印としてCOP29の招致を取り下げ、アゼルバイジャンでの開催支持を表明した。ブルガリアも立候補を取り下げ、東欧グループ内はアゼルバイジャン支持でまとまった。COP27のエジプト、COP28のUAEに続き、3年連続で化石燃料産出国での開催となる。

アゼルバイジャンのムフタル・ババエフ環境天然資源相は全体会合のスピーチで「われわれは気候変動への協調した対応の重要性を認識しており、共同の取り組みを通じて影響力を強化し、持続可能な未来に向けて進歩を加速することを目指す」と述べた。同国政府は、パリ協定に基づいて温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに1990年比35%、2050年までに同40%、それぞれ削減するという積極的な目標を設定している。さらに、再生可能エネルギーの割合を2030年までに発電設備容量の30%に増やす計画だ(アゼルニュース12月14日)。

(小林圭子)

(アゼルバイジャン、アルメニア、ロシア、ブルガリア、アラブ首長国連邦、世界)

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