富士通とオーストラリアの大学、ヒューマンセンシング技術と生成AI技術用いたデジタルコーチング技術研究開発で連携

(オーストラリア)

シドニー発

2023年12月26日

富士通(本社:東京都港区)とオーストラリアの現地法人富士通オーストラリア(本社:シドニー)は、シドニーのマッコーリー大学と、ヒューマンセンシング技術(注1)と生成AI(人工知能)技術を活用して従業員などのスキルアップや訓練などを行うデジタルコーチングの技術研究開発で連携する。同社は12月1日に同大学にこの事業の産学連携拠点を設置することを11月30日に発表した。ジェトロは12月12日、富士通人工知能研究所のシニア・プロジェクト・ディレクターの鈴木源太氏ら3人から話を聞いた。

写真 (左から)富士通テクノロジブラック ジャック 勝ち 方マネジメント本部産学連携推進室の大平弘太郎マネージャー、富士通人工知能研究所の鈴木源太シニア・プロジェクト・ディレクター、竹内駿シニア・リサーチ・マネージャー(富士通提供)

(左から)富士通テクノロジブラック ジャック 勝ち 方マネジメント本部産学連携推進室の大平弘太郎マネージャー、富士通人工知能研究所の鈴木源太シニア・プロジェクト・ディレクター、竹内駿シニア・リサーチ・マネージャー(富士通提供)

富士通はヒューマンセンシング技術について既に研究実績を持ち、マッコーリー大学は社会課題解決に向けてさまざまなAI技術研究に取り組んでおり、AI応用研究センターも有するなどの実績を持つ(注2)。互いの強みを生かして流通業、製造業、医療などさまざまな分野のデジタルコーチング技術の開発を目指す。今回の連携により、例えば、製造現場の作業員に対し、作業ミスを減らして効率化することや、患者のリハビリテーションが考えられるという。実際には、コーチング対象者の行動をセンシング技術でデータを収集・分析し、利用者の固有の癖や課題などを洗い出し、生成AI技術を使って利用者一人ひとりにカスタマイズしたコーチング内容をチャット形式や動画で提供する。

富士通が連携先として同大学を選んだ理由として、人の行動の研究分析(生成AI技術を含む)が優れていることや、AI技術の社会実装の取り組みが進んでいる点を挙げた。また、以前からデジタルトランスフォーメーション(DX)や医療分野でのデジタル活用で研究協力実績があったことも挙げた。他のブラック ジャック 勝ち 方大学との連携に比較してオーストラリアならではのメリットを聞いたところ、同社現地法人が培った信頼・ネットワークを活用できることや、日本との時差が少ない英語圏の国で研究事業を進めやすく、グローバルな展開が加速できることを挙げた。

さらに、開発した技術については、先端AI技術を一般に公開している富士通のプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi(code name)- Fujitsu AI Platform」で2024年以降に公開し、より多くの利用者に活用してもらえるようにしたいと同社は抱負を述べた。この拠点を日本とオーストラリアの産学連携研究開発拠点として推進するとともに、先端AI技術を活用した社会課題解決をリードする人材育成にも強力に取り組んでいくという。

(注1)ヒューマンセンシング技術とは、映像によって人の行動を計測し、得たデータや映像から、人の状態を分析・推定する技術。例えば、来店者の行動を分析することで、安全安心な店舗運営や接客品質向上に役立てることができる。

(注2)オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が12月に発表したレポート「オーストラリアのAI技術エコシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、2021年のオーストラリア国内大学のランキングで、その大学の全出版物(研究論文や本など)のうち、AI技術を扱った出版物の比率が多い大学で、マッコーリー大学は7位にランクインした。また、AI技術に関する出版物数では10位にランクインした。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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