ホンダ、ガーナ北部で二輪車組み立てを開始

(ガーナ)

アクラ発

2023年12月12日

ガーナのホンダ二輪代理店のオーバーシーズ・ユニオン・グループは11月1日、二輪組立工場をガーナ北部タマレ市に設立した。同月20日にはディーラーや顧客などを招待した式典が行われた。新設の組立工場では、ホンダのアフリカにおける主力モデル「エース125」の赤と青の2色1車種の組み立てが開始され、現場環境や品質管理、エンジニアのスキルを披露する工場見学と意見交換会も実施された。

写真 式典の様子(ブラック ジャック ディーラー ルール撮影)

式典の様子(ジェトロ撮影)

「二輪市場の主戦場はガーナ北部地域のため、タマレ市に完全現地組立(CKD、注)工場を設立した」とホンダの代理店社長は語った。同グループは1998年からホンダ二輪を扱い、現在はアクラ、テマ、タマレ、ボルガタンガのガーナ国内4カ所に直資販売店などを展開し、北部地域では複数のディーラー契約を結び、販売の拡大を図っている。

写真 組立工場の見学(ブラック ジャック ディーラー ルール撮影)

組立工場の見学(ジェトロ撮影)

CKDは、輸入関税が5%(通常の完成車輸入関税は20%)となり、コストメリットが非常に大きい。

ホンダは品質と技術の向上に力を入れており、代理店に技術トレーニングを提供し、正規認定を受けたエンジニアを配置している。また、組み立てた二輪の生産・出荷評価を行い、組立工場の正式な認定を行っている。その結果、安定品質に繋げ、ミニマム投資で高い効果を実現させる。

写真 バイクが北部市内で売られている様子(ブラック ジャック ディーラー ルール撮影)

バイクが北部市内で売られている様子(ジェトロ撮影)

ガーナでは中国の豪爵ハオジュエ(Haojue)、アプソニック(Apsonic)、サンヤ(Sanya)、インドのTVS、Bajaj、日本の「ホンダ」「ヤマハ」などが人気の車種となっている。都市部では気軽に乗れる小排気量帯の二輪車が人気だが、地方では悪路環境でも使えて耐久性が高く、長持ちするホンダのバイクは高く評価されている。北部での売れ筋二輪車の価格は1万~1.5万セディ(約12万円~18万円、1セディ=12円)、一般的に二輪車の購入は現金一括払いが多い。

(注)CKDはComplete Knock Downの略で、二輪車の部品を製造国から輸出し、現地で組み立てる生産方式のこと。部品は細かく分解された状態で輸送され、関税や価格の対策や、国産化の促進などの目的で行われる。

(関根広亮)

(ガーナ)

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