日本企業含むコンソーシアムと政府間で水力発電所の開発契約締結

(モザンビーク)

マプト発

2023年12月22日

フランス電力公社(EDF)と、フランス資源大手トタルエナジーズ、住友商事から成るコンソーシアムは12月13日、モザンビーク政府との間に、ムパンダ・ンクワ水力発電所の共同開発パートナーシップ契約を締結した。

同水力発電所の開発事業は官民パートナーシップ(PPP)として進められ、コンソーシアムが事業の70%を保有し、モザンビーク側として同国電力公社(EDM)とカホラ・バッサ水力発電所(HCB)が30%を保有する。コンソーシアム内での持ち分比率は、EDF(40%)、トタルエナジーズ(30%)、住友商事(30%)となる。共同開発パートナーの選定は2022年6月に始まり、2023年5月にEDFが主導するコンソーシアムが政府との優先交渉権を獲得したことが発表されていた(2023年6月15日記事参照)。また、パートナーシップ契約締結と同時に、コンソーシアム・EDM・HCBと鉱物資源エネルギー省(MIREME)との間で、将来的なコンセッション契約(注)に向けた枠組み協定も締結された。

ムパンダ・ンクワ水力発電所はモザンビーク北部内陸側のテテ州を流れるザンベジ川のカホラ・バッサ水力発電所の下流60キロ地点に建設され、発電容量1,500メガワット(MW)の流れ込み式水力発電所だ。この建設プロジェクトには、テテ州から首都マプトまでの1,300キロの高圧送電線建設も含まれ、投資額は総額50億ドルとみられている。モザンビーク政府は国際金融公社(IFC)とアフリカ開発銀行(AfDB)から開発協力を取り付けている。

モザンビーク鉱物資源エネルギー省(MIREME)によると、同水力発電所からのクリーンエネルギーは国内の産業化・電化の推進と余剰電力の輸出に不可欠なものとされ、政府が発表したエネルギー転換戦略(2023年12月14日記事参照)の大黒柱という位置づけだ。同水力発電所は2031年に稼働開始を予定している。

(注)政府が所有・管理するインフラの運営権を特定の民間事業者に一定期間付与すること。

(松永篤)

(モザンビーク)

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