国家発展改革委、「カーボンピークアウトパイロットエリアの設立プラン」公表

(中国)

大連発

2023年11月14日

中国の国家発展改革委員会は11月6日、「国家カーボンピークアウトパイロットエリアの設立プラン」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。同プランでは、全国から代表的な都市・産業園区100カ所をカーボンピークアウトのパイロットエリアとして設置し、グリーン化・低炭素化を進めながら、政府は政策や資金面でサポートする。各都市・産業園区の取り組みや経験を全国に広げることが目的だ。

パイロット都市・産業園区として、まずは15の省・自治区計35カ所で実施する(添付資料表参照)。

パイロット都市・産業園区の事業内容は次のとおり。

  1. エネルギー、工業、省エネ、建築、交通などの主要分野のパイロット事業を計画・提案する。
  2. エネルギーインフラ、省エネ・炭素排出削減、先端技術モデル、資源リサイクルなどの分野に重点を置き、試験的なプロジェクトを計画・実施する。
  3. パイロット都市や産業園区でグリーン・低炭素技術の普及・応用メカニズムを新たに創出し、グリーン・低炭素産業を大いに育成し、産業の競争優位性を高めていく。
  4. 政策メカニズムの整備では、パイロット都市でグリーン化に資する財政、金融、ファンド、価格政策、標準化体系を速やかに確立・整備し、炭素排出量の算定、評価、管理メカニズムを創出する。パイロット産業園区では、グリーン・低炭素循環型発展のレベル向上に重点を置く。
  5. 国民向けにグリーン・低炭素生活の理念定着を推奨し、「ダブルカーボン」(注)の基礎知識を普及させ、グリーンモビリティー、浪費抑制、ごみ分別などの体制メカニズムを革新していく。

同方案は、2025年までにパイロットエリア内でグリーン・低炭素発展に資する政策システムの基本的な構築、運用、複製、普及可能な革新的な整備、改革経験を初歩的に形成し、各都市・産業園区のカーボンピークアウト達成可能な取り組みを明確にする。2030年までに、(1)各パイロット都市・産業園区の重要課題、主要プロジェクトなどを予定どおりに完了させる、(2)グリーン・低炭素発展に資する政策システムを全面的に確立する、(3)各地のカーボンピークアウト目標実現の手段や経験の牽引を目標に掲げている。

今後、各地のパイロット都市・産業園区では、具体的な実施候補地をリストアップし、実施細則の策定を急ぐ。

(注)「ダブルカーボン」とは、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルの略称。

(李莉)

(中国)

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