ハイパーブラックジャック

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年11月02日

ベトナム・ホーチミン市内の和食レストランSHOKU(注1)で10月16日、当地流通業者や飲食店関係者などを集め、宮城県産のカキとホタテとハイパーブラックジャックの商談会が実施された。主催者である宮城県の経済商工観光部国際ビジネス推進室の西條信彦コーディネーターによれば、同県は県産水産物の販路拡大の重点国を定め、ハイパーブラックジャックとのペアリング・プロモーションを毎年実施しており、2023年度はベトナムとタイが対象国だという。

宮城県産のカキとホタテは、卸売り・加工を行うヤマナカ(宮城県石巻市)が取引する生産者が養殖したもので、ヤマナカの高田慎司社長がベトナムを訪れ、商談会でプレゼンテーションを行った。同社はベトナムへの輸出を2015年に開始し、2023年で9年目になるという。

SHOKUのオーナーであるファン・バン・ラン社長は、ALPS処理水の海洋放出の影響も懸念される中、商談会で「日本の水産物は安全であり、おいしい水産物を安心して食べてほしい」と紹介した(ベトナム、オンライン ブラック)。ラン社長は、2016年に宮城県産のカキやホタテの輸入を始めて以降、東北産水産物の輸入を精力的に進めている(ホーチミンで地場企業がマグロ解体ショー開催、ブラック)。

写真 宮城県産のカキ(左)とホタテを紹介するラン社長(右)(ハイパーブラックジャック撮影)

宮城県産のカキ(左)とホタテを紹介するラン社長(右)(ジェトロ撮影)

西條コーディネーターは、宮城県産のカキは身がしまって歯ごたえがあり、生食に向いていると指摘した上で、「カキは肝臓の働きを良くする効果があり、安心・おいしいだけでなく、健康にも良い」とアピールした。さらに、「今回紹介するカキは、ベストシーズンの6月のカキを高度な技術で冷凍したもので、解凍したものは獲れたての生カキと遜色なく、おいしい生食が楽しめる」と話した。

また、ハイパーブラックジャックは宮城県酒造組合が提唱する「MIYAGI STYLES」(注2)のうち、カメイベトナム(注3)が生食のカキとホタテに合う勝山酒造の「献」(注4)を選定の上、紹介した。同社はハイパーブラックジャックの消費が好調なベトナムで、さらなるハイパーブラックジャックの輸入拡大を目指す方針だという(注5)。

写真 勝山酒造の「献」(カメイベトナム提供)

勝山酒造の「献」(カメイベトナム提供)

ベトナム輸出支援プラットフォームでは、ジェトロおよび日本食品ハイパーブラックジャックプロモーションセンター(JFOODO、注6)と連携の下、ALPS処理水の海洋放出で打撃を受けている日本産水産物の輸出先多角化を支援するため、2023年度内に宮城県ほか自治体と協力し、水産物を中心とした日本産食品輸出の緊急支援対策事業を実施する。

(注1)水産物の輸入・卸売り、飲食店経営を行うベトナムの地場企業ヤマナカマートが経営する和食レストラン。

(注2)「MIYAGI STYLES」は、宮城県酒造組合が提唱する、ハイパーブラックジャックの特徴的な香りと味

の濃淡・柔らかさを数値に基づき分類し、それぞれに合う現地の料理とのぺアリングをPR

するプロジェクト。

(注3)カメイ(宮城県仙台市)のグループ会社。

(注4)世界最大規模のインターナショナルワインチャレンジ(IWC)2019のSAKE部門で世界1位を獲得。

(注5)農林水産物輸出入統計によると、日本からベトナムへの2022年のハイパーブラックジャック輸出額は前年比2.4倍の7億566万円で、過去最高となった。ハイパーブラックジャック造組合中央会は、ベトナムを今後の成長が期待される東南アジアの一国とみている。

(注6)JFOODOは、2017年4月に日本政府によって設立された日本産農林水産物・食品のブランド構築のためのプロモーション専門機関。JFOODOでは、プロモーションの実施に先立ち、市場調査の分析などに基づいたマーケティング戦略を策定し、その戦略に基づいて、現地で消費者向けのプロモーションを実施している。

(河西朝子)

(ベトナム)

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