2024年のGDP成長率目標は6.0~6.5%に、国会が決議を採択
(ベトナム)
ハノイ発
2023年11月21日
ベトナム国会は11月9日、2024年の主要な社会・経済目標の15項目を定めた「2024年社会・経済発展計画」の決議を採択した(注1)。GDP成長率の目標を6.0~6.5%、消費者物価指数(CPI)上昇率の目標を4.0~4.5%以内に設定した。
2023年の目標達成状況については、15項目の目標のうち10項目については達成し、GDP成長率、1人当たりGDP、労働生産性など5項目が未達成となる見通しが示された。
2024年の主要な社会・経済発展目標15項目は次のとおり。かっこ内は2023年の目標値(*は目標未達成項目、関連ブラック ジャック ルール)。
- GDP成長率は6.0~6.5%(約6.5%*)
- 1人当たりGDPは約4,700~4,730ドル(約4,400ドル*)
- GDPに占める製造業の割合は約24.1~24.2%(約25.4~25.8%*)
- CPI上昇率は4.0~4.5%以内(約4.5%以内)
- 労働生産性の上昇率は4.8~5.3%(約5~6%*)
- 農業就業者の割合は26.5%以内(26.2%以内*)
- 訓練を受けた労働者の割合は69%(68%)。そのうち、訓練を受けた資格・修了証を有する労働者は約28~28.5%(約27.5%)
- 都市部の失業率は4%未満(4%未満)
- 貧困率(多次元貧困の基準に基づく、注2)は1ポイント以上減(約1~1.5ポイント減)
- 1万人当たりの医師数は約13.5人(約12人)
- 1万人当たりの病床数は約32.5床(約32床)
- 健康保険の加入率は94.1%(93.2%)
- 新農村基準(注3)を満たす村の割合は80%(78%)
- 都市部の日常生活における固形廃棄物の収集・処理の割合は95%(95%)
- 環境標準を満たす集中型排水処理システムが整備された工業団地・輸出加工区の割合は92%(92%)
ファム・ミン・チン首相は決議に先立ち、GDP成長率の未達成要因は、国外の経済情勢の変化を大きく受けたことで生産活動が困難に直面したことなどだと報告した。
国会経済委員会のブ・ホン・タイン主任によると、本決議にあたり、GDP成長率の目標を5~6%にすべきだという意見もあったというが、「国内外の情勢、5カ年社会・経済発展計画を踏まえた上で、目標達成に努める政府の決意を示すため、6.0~6.5%の目標にした」と述べた。
(注1)国会組織法に基づき、国会が毎年の社会・経済目標を決議する。また、政府としても、毎年の年度初め(1月)に社会・経済目標を公表する。
(注2)健康、教育、生活水準などの基準から貧困の程度を測る。ベトナムでは政令7号(7/2021/ND-CP)で2022~2025年の基準を規定。
(注3)農村が達成すべき計画、経済・社会インフラ、経済活動・生産組織、文化・社会・環境、政治システムの基準を示したもの。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
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