第2回グローバルインベストメントサミット開催、295億ポンドの投資案件発表
(英国、世界)
ロンドン発
2023年11月30日
英国で11月27日、2021年10月(関連ブラック ジャック トランプ)以来第2回となる、政府主導の投資誘致に向けたグローバルインベストメントサミットが開催された(英国政府プレスリリース参照)。英国の科学、テック、クリエーティブ分野の企業などのほか、200を超える最高経営責任者(CEO)や投資家が参加。米国大手投資会社ブラックストーン、米国大手金融機関ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、英国大手保険会社アビバなどのCEOも参加した。また、バークレイズ銀行、HSBC、ロイズ銀行といった金融機関も主要パートナーとして参加。自動車関連でマクラーレンやアストンマーチン、人工知能(AI)・量子コンピューティング分野でフルート・キャスト、デルタG、クァンタムDX、核融合・原子力関連でトカマクエナジー、コア・パワーなどの企業が展示を行った(全展示企業は英国政府ウェブサイト参照)。
リシ・スナク首相は開会にあたっての基調講演で、英国の投資、ビジネス環境の強みとして、税制、イノベーション文化、人材を挙げた。税制に関しては低い法人税のほか、11月22日に発表した秋季経済計画で導入するとした優遇税制の恒久化(2023年11月24日記事参照)などを挙げた。イノベーションに関しては、世界有数の大学の存在や、テック系のユニコーンやベンチャーキャピタルの多さ、政府による研究開発支援策や上場ルールの改革、規制改革を挙げた。人材に関しては、国内の人材育成策のほか、国外からの優秀な人材獲得に向けたビザ制度などを挙げた。
同日には、各国企業による総額295億ポンド(約5兆5,165億円、1ポンド=約187円)規模の対英投資案件も発表された(添付資料表参照)。2021年の第1回に発表された投資額(約97億ポンド)の約3倍となっている。
また、ミシェル・ドネラン・科学・イノベーション・技術相もサミットに合わせ、新たな規制サンドボックス(注1)、テストベッド(注2)の設置を発表した。それぞれ、ゼロ排出の航空燃料向けの水素活用、自律運航技術、旅客輸送・宅配へのドローン活用に向けた研究開発向けに設置する。このほか、研究開発への投資を促進するため、イノベートUKによる中小企業向け研究開発支援プログラム「インベスター・パートナーシップ」に新たに29の投資家が参画することも発表している。
(注1)イノベーション促進のために、一時的に規制の適用を停止するなど、新たなビジネスの実証実験を実現する仕組みを設ける制度。
(注2)実際の利用環境に類似した環境で行う試験用プラットフォーム。
(山田恭之)
(英国、世界)
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