三井物産、エジプトの養鶏大手に出資参画、北アフリカでモロッコに次ぐ2社目
(エジプト)
カイロ発
2023年11月30日
三井物産は11月16日、エジプトでブロイラー生産、関連加工食品の製造販売を手掛けるワディ・ポルトリー(Wadi Poultry S.A.E)に対して、アラブ首長国連邦(UAE)の持ち株会社を通じて出資参画することに合意し、関連契約を締結したと発表した。1億人を超える人口規模を有するエジプトでも鶏肉事業群の拡大を目指す。
三井物産は2018年、モロッコとセネガルの同事業最大手のザラール・ホールディングに出資参画した(関連ブラック ジャック ディーラー)。同社に対しては、三井物産グループが持つ飼料配合や飼育環境、飼育方法など日本式のブロイラー生産ノウハウを伝授し、成績改善に取り組んできた。今回、エジプトのワディ・ポルトリーへの出資参画により、同様にグループ内の技術・知見を伝え合い、エジプトでの地産地消での需要・供給の拡大による成長を支援する。
同社によると、エジプトは2021年の国内鶏肉生産量が223万トン、輸入量は年間需要の5%未満だ。輸出はほぼなく、供給のほぼ全量を国産に依拠する。ワディグループは1984年、小規模の鶏ブロイラー事業に始まり、現在では同国最大手事業者の一角を担う。生産はほぼ全量が国内向けで、三井物産の出資参画により増産と食料自給率向上、輸出販路の開拓が期待される。家禽(かきん)・動物飼料および原料生産や物流開発にも取り組んでおり、鶏肉以外にもオリーブや青果物系の加工食品事業も展開。自社以外にも裨益(ひえき)する業界全体のサプライチェーンを構築している。
(西澤成世)
(エジプト)
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