2023年のドバイ来訪者数、過去最高を記録する見込み
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2023年11月20日
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ経済観光庁(DTCM)は10月20日、2023年第1~3四半期(1~9月)のドバイ来訪者数は前年同期比23%増の1,240万人に上り、新型コロナウイルス禍前の2019年に記録した1,208万人を上回ったと発表した。
来訪者の出身国別では、インドが177万2,000人で最も多く、次いでサウジアラビア85万6,000人、英国82万5,000人、ロシア80万6,000人、オマーン78万9,000人だった。アジアでは、中国が第7位の45万7,000人で最も多かったが、新型コロナ禍前と比較すると、来訪者は37%減少している。日本からはランキング外だった。
DTCMによると、2023年第1~3四半期のホテルの客室平均稼働率は75.7%に上昇し、前年同期比4.9ポイント増だった。宿泊者の滞在日数は4泊から平均3.7泊に減少したものの、客室稼働泊総数は前年同期比13%増、2019年同期比32%増の3,044万泊となった。客室平均単価も前年同期比5%減の473ディルハム(約1万9,393円、AED、1AED=約41円)だったものの、1室当たりの平均売り上げは前年同期比2%増の358AEDとなった。ホテルのランク別の客室数は、5つ星ホテルのシェアが35%と最も高く、4つ星ホテルが28%、1つ星から3つ星ホテルが20%を占め、ドバイでは高級ホテルの需要が高いことが裏付けられた。
ドバイ国際空港、上半期の旅客数は4,160万人
ドバイ税関は11月5日、ドバイ国際空港の2023年上半期(1~6月)の旅客数は前年同期比約50%増の4,160万人に達したと発表した。同空港のポール・グリフィス最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルス禍前は旅客輸送量の60%は乗り継ぎで、40%がドバイを最終目的地としたが、傾向が逆転し、現在は60%がドバイを最終目的地としていることを明らかにしている(8月22日付AP通信)。
また、エミレーツ航空は11月13に「Dubai Airshow」の場で、95機の最新のボーイング777Xなどを約520億ドルで発注することを発表したと報道されており、今後数年間の旅客輸送量を大幅に押し上げることが推測される(11月13日付「ナショナル」)。
ドバイは快適な気候のため、観光客が最も増加する第4四半期(10~12月)を迎えており、2023年は2019年に記録した1,673万人の年間来訪者数を上回り、過去最高を記録する可能性が高まった。2023年は特に11月30日~12月12日の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第28回締約国会議(COP28)が当地で開催されるため、190カ国以上から7万人以上の参加者が見込まれている。
(吉村優美子)
(アラブ首長国連邦)
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