デリー首都圏の大気汚染対策、適用措置「ステージ4」に引き上げ

(インド)

ニューデリー発

2023年11月06日

インドのデリー首都圏・周辺地域の大気汚染対策を所管する大気質管理局(CAQM)は11月5日、デリーにおける空気質指数(AQI)の急速な悪化を踏まえ、首都圏の大気汚染対策として「行動計画(GRAP、2023年10月改定)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で最も深刻なステージ4(AQI450超)の各種措置を即時適用する通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出した。CAQMは11月2日にステージ3(AQI401~450)への移行を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)したばかりだったが、AQIの急上昇を受け、短期間で対策の強化に踏み切った。

ステージ2(AQI301~400)の各種措置()に加え、新たに課された主な措置は次のとおり。

〇ステージ3(AQI401~450)の措置(ステージ4でも適用)

  • 建設工事の停止(公共施設、医療施設の建設工事を除く)
  • 砕石や鉱業関連事業の停止
  • デリー準州内やハリヤナ州グルグラム(グルガオン)、ウッタル・プラデシュ州ノイダなど各地域で対象車両(注1)の走行規制(決定権限は各州政府)

〇ステージ4(AQI450超)の措置

  • トラック(ガス・電動車両以外)のデリー準州への入境禁止(注2)
  • デリー準州外で登録された小型商用車〔ガス・電動・ディーゼル(BS-IV、注1)車両以外〕の同州への入境禁止(注2)
  • 中型・大型商用車(ディーゼル車両)のデリー準州内での走行禁止(注2)
  • 建設工事の停止(道路・送配電網・ガスパイプラインなど一部の公共建築工事を含む)

なお、デリー準州の教育省は、GRAPに基づく対策の一環として、幼稚園から5年生(日本の小学5年生に相当)までの校内授業を11月10日までオンライン形式に切り替えると発表した。6年生以上の授業については、各校が判断する。また、ハリヤナ州グルグラム地域では、独自の大気汚染対策として、地区内でごみを焼却する行為が全面禁止となった。

(注1)走行規制対象となる車両は、古い排ガス規制基準を基にしたガソリン(BS-III)およびディーゼル(BS-IV)の乗用車。インド国内の自動車排出ガス規制BS(バーラト・ステージ)はEUによる同種規制を基にしており、BS-IIIは2005年以降、BS-IVは2010年以降に順次導入された。現行の最新基準であるBS-VIは、2018年以降導入。

(注2)ただし、生活必需品の運搬やエッセンシャルサービスの提供をする場合を除く。

(広木拓)

(インド)

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