日米経済版2プラス2の第2回閣僚会合が開催、経済秩序や重要技術に焦点
(日本、米国)
ニューヨーク発
2023年11月16日
日米経済政策協議委員会(経済版2プラス2、EPCC)の第2回閣僚会合が11月14日、米国サンフランシスコで開催された。日本側は上川陽子外相と西村康稔経済産業相、米国側はアントニー・ブリンケン国務長官とジーナ・レモンド商務長官が参加した。
日米経済版2プラス2は、2022年1月の日米首脳会談で立ち上げに合意した閣僚級の協議の枠組み。経済安全保障面での協力関係の深化を主眼に、2022年7月末に第1回の閣僚会合が開催された(関連ブラック ジャック ルール)。外務省の発表によると、今回会合で両国は主に、(1)インド太平洋地域におけるルールに基づく経済秩序の強化、(2)経済的強靱(きょうじん)性の強化および重要・新興技術の育成・保護、の2つの議題を中心に議論を交わした。会合後に発表された共同声明〔英(国務省)/日(外務省、仮訳)〕でも、これら2つのテーマに連なる16の個別分野での議論の進展が記されている。(1)に関しては、2023年11月13~14日に閣僚会合が開催された「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を通じた地域経済協力の深化の重要性が指摘され、2023年に達成された進展を歓迎するとした(注1)。非市場的政策・慣行や経済的威圧に関しては、G7諸国ほか有志のパートナー国と連携して対処していく姿勢を明示した。また、日本のALPS処理水放出を受けた一部の国・地域による日本産食品への輸入制限につき、科学的根拠に基づかないとして撤廃されるべきであることを再確認した。
(2)に関しては、半導体、人工知能(AI)、量子カジノ 無料科学技術、クリーンエネルギー、次世代通信技術などの技術分野での協力を加速させることで一致した。特に、半導体、AI、量子カジノ 無料科学技術では、両国に既に存在する研究機関の間での協力関係も基盤としつつ進めていく方針が示された。また、クリーエネルギー関連製品など先端製造業に不可欠とされる重要鉱物に関して、責任あるかたちでのサプライチェーン強化を推進すべく、両国ほか有志国・地域(注2)による鉱物安全保障パートナーシップを通じた協力を継続するとしている。両国は今後も、次官級で議論を継続させつつ、閣僚会合を定期的に開催する意向だ。
(注1)外務省の発表によると、IPEF交渉参加国は11月14日、5月に実質妥結していたIPEFサプライチェーン協定()の署名式を行った。
(注2)日米に加えて、オーストラリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イタリア、ノルウェー、韓国、スウェーデン、英国、EUが参加。
(磯部真一)
(日本、米国)
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