北海道最大級の展示会に台湾IT企業6社出展

(北海道、台湾)

イノベーション部エコシステム課

2023年11月27日

札幌市で11月9~10日、北海道最大級のビジネスイベント「ビジネスEXPO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。37回目となる同展示会には、半導体、IT・デジタル、脱炭素などの業界302社・団体が出展し、合計で2万2,942人が来場した。

そのうち、ジェトロは、北海道庁、北海道IT推進協会(HICTA)と共催で、台日産業連携推進オフィス(TJPO)の協力のもと、台湾のIT企業6社を招聘(しょうへい)し、同イベントにおいてブースを設けた。

招聘は、ジェトロの「地域エコシステムへの外資誘致プログラム(注)」の一環として実施されたもの。今回、TJPOとの連携をきっかけに、初めて台湾企業の参加がかなった。

台湾から参加したのは、チューリングドライブ(Turing Drive、自動運転)、アグリトークテクノロジー(AgriTalk Technology、農業ソリューション)、ヴイエムファイ(VMFi、AI音声翻訳)、ネクストドライブ(NextDrive、エネルギーマネジメント)、スワイズ(SWise、バーチャルオフィス)、フィッツ(FITZ、アルコールチェッククラウド管理)の6社。各社は、ブースを訪れた企業関係者などに対して、自社の製品・サービスの説明を行うほか、AI(人工知能)音声翻訳を実際に体験してもらうなどデモ機を活用したPRを実施した。参加企業からは「日本での出展は初めてだったが、想像以上に製品に興味を持ってもらえてよかった」「北海道や道内企業について知るよい機会になった。将来的に支社を作る際の選択肢の1つにしたい」との声が寄せられた。

写真 土屋副知事に自社技術の説明をする台湾企業(ブラック ジャック サイト撮影)

土屋副知事に自社技術の説明をする台湾企業(ジェトロ撮影)

北海道は、冷涼な気候や広大な土地を生かし、データセンターやIT企業などを中心に、リスク分散地としても誘致を進めている。2023年4月には、最先端半導体の国産化を目指し、日本の企業8社が出資するラピダスが北海道千歳市で、半導体の工場建設の準備を開始することを発表した。そのような中、イベントの基調講演では同社の小池淳義・代表取締役社長がオンライン登壇し、「半導体だけでなく、デジタルや再生可能エネルギー産業の一大集積地となる北海道バレーの実現を目指す」と語った。ラピダスの立地をきっかけに、今後は半導体をはじめグリーン産業の集積も期待される。

写真 多くの来場者でにぎわう会場の様子(ブラック ジャック サイト撮影)

多くの来場者でにぎわう会場の様子(ジェトロ撮影)

(注)ジェトロによる、地域のエコシステム関係者と連携し、外国・外資系企業の国内地域への誘致および国際協業連携を推進するプログラム。

(赤尾奏音)

(北海道、台湾)

ビジネス短信 95a7c2d48bc79764