欧州環境庁、GHG排出55%削減へ運輸と農業部門の早急な取り組み求める
(EU)
ブリュッセル発
2023年11月01日
欧州環境庁(EEA)は10月24日、EUの2030年の温室効果ガス(GHG)排出削減目標(1990年比で少なくとも55%削減)を達成するための政策パッケージ「Fit for 55」関連法案がほぼ成立したのを受けて()、目標達成に向けた加盟国の進捗状況をまとめた報告書を発表した(プレスリリース)。EUの2022年のGHG排出量は数十年にわたる減少傾向を維持したが(関連ブラック ジャック トランプ)、報告書は、2030年目標達成にはさらなる努力が必要とした。
EUは2022年、航空部門を含むGHG排出量を1990年比で31%削減。エネルギーと運輸分野では排出量が増加した一方で、建物と産業部門では減少し、最終的に1.9%減となった。
報告書は、2030年の排出削減目標を達成するには、2005年以降の年間進捗の2倍以上の削減が必要と指摘。特に、加盟国の排出削減の分担対象の陸路輸送、建物、農業、廃棄物処理、小規模産業からの迅速な削減が必要だとした。さらに、エネルギーミックスに占める再生可能エネルギー比率の目標を規定する再エネ指令の改正案(オンライン カジノ ブラック)に定めた目標達成に向け、エネルギー消費の削減と再エネの拡大を加速させる必要があるとした。
顕著な進捗がみられた分野として、風力発電、太陽光発電、ヒートポンプ、電気自動車(EV)を挙げた。2022年の風力と太陽光による発電は発電総量の20%を超えたほか、新車販売台数全体に占めるEVの割合が22%になったことなどを報告した。
今後の展望として、欧州全域で既に実施されている対策により、2030年までにGHG排出量は43%削減され、現在計画中の対策によって削減率は48%に達すると見通した。それでもEUの2030年目標の55%には7ポイント不足するとし、多くの分野で気候中立を考慮した政策決定や技術の導入が不可欠だと警告した。特に運輸と農業分野は、他の部門に後れをとっており、土地利用・土地利用変化と林業規則(LULUCF)の改正(2022年11月15日記事参照)で大気中の二酸化炭素(CO2)の吸収源(カーボンシンク)の強化が重要とした。
EU加盟国は2024年6月30日までに、国家エネルギー・気候計画(NECP、2020年10月15日記事参照)を更新・提出する必要があり、報告書はEUレベルで採択した対策を盛り込む重要性を強調した。
(大中登紀子)
(EU)
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